芳文社『まんがホーム』2007年12月号

今月号は新作3作品がどれも大当たり。今一番面白い4コマ誌はホームだということを再認識した。いつもは購読していない人も今号だけはマジで読むべき。というわけでまずはその3作品から。

【隔月新連載】仙石寛子「お酒さん」
禁酒することにしたんだ。仕事から帰ってきた旦那さんは,”お酒さん”に悲しそうに話しかけた。奥さんにも進められて禁酒することにした旦那さんと,自分のことを飲んでもらえないお酒さん――。
”飲む”はきっと”愛する”の隠喩。そして”飲んでもらう”に自己犠牲的な響きを感じるのはなぜだろうか。酒好き旦那さんとお酒さんの微妙な距離が,起承転結を極端に弱めた流れでやさしく描かれる。読めば絶対,これは他の誰にも似てない才能だと感じるはずだ。前作「桜姫」は読み切りだったけど,今作は連載で読めるというのが嬉しい。編集の中の人はこの人を大切ににして欲しいと切に願う。
仙石氏は『コミックエール!』でも「背伸びして情熱」を連載中。
【ゲスト】ふかさくえみ「ちまさんちの小箱」
雑貨好きの少女が偶然訪れた住宅街の中の小さな雑貨屋・ちまさんち。窓から見えた小箱に一目惚れして店に入ると,奥から現れたのはちんまい店長さんと謎の生物二匹だった――。
何よりもまず,生き生きしたキャラの表情と動き,そしてそれを映すカメラワークに魅入る。それをベースに,ライバル関係っぽい少女と少年の掛け合いがテンポよく描かれて楽しい。店内のファンタジックな雰囲気にもワクワクするなあ。これは続きそう。むしろ続いて下さい。今作を気に入った人は「マルラボライフ」も読むべし。
【ゲスト】夢枕人しょー「ふぁみにゅ?」
作者は「ゆめまくらーしょー」。ある日両親が突然渡米し,一人残されてしまった娘。同級生たちもいる下宿に入ることになったが,ここには変わったルールがあった。それは,みんなで”家族ごっこ”をするというものだった――。
突然の”母親”役に戸惑う主人公だけど,最後のお母さんに『行って来ます』したいんだもので彼女は救われたと思った。いや私が勝手にそう思っただけだけど,このセリフには本当に心動かされた。ズルい,ズルすぎる。こちらも続いて欲しい。

あとはいつものように。

宮原るり「恋愛ラボ」
現生徒会と旧生徒会。真木の不在に何も出来ない倉橋,そして真木を思う倉橋は,旧生徒会陣を迎え入れるのか――。水嶋先輩いい動きするなあ。実はいい人なんじゃないかと思えてきた。
森島明子「お江戸とてシャン」
寒さなんか気にならねえのが江戸っ子よ! という話。最初は真っ当な虎吉も,他の鳶たちに焚きつけられてエスカレート。裸で仕事をする姿はまさに粋と滑稽の裏返し。ああ,格好悪いけど,格好良いなあ。
豊田アキヒロ「てんたま。」
図書室。けしかける母さんと慌てるふたはの姿は既に日常化してきたけど,ふたはの赤面にやっぱりいいなあと思ってしまう。あと,いつもはクールなそーやくんも今回はちょっとだけ照れる姿が! この二人おしどり夫婦でいいよもう!
吉田美紀子「メルヘン父さん」
秋を満喫。お父さんの完璧ぶりやお茶目なところもさることながら,今回は秋山での夫婦の掛け合いも楽しい。4コマ目の静かなる瞬間が効いてるなあと思った。

トラックバック

http://sweetpotato.blog58.fc2.com/tb.php/743-13104458

コメント

#251: Re: 芳文社『まんがホーム』2007年12月号

  • KAAB
  • (URL)
  • 2007年11月13日
  • 21時17分
  • 編集
『まんがホーム』は毎月、購入しています。

ふかさくえみ「ちまさんちの小箱」は面白かったです。

宮原るりの作品は面白い上に、波乱万丈の展開から、話を上手くまとめてくるので、凄い作家だと思います。

個人的には、ひらのあゆ「ラディカル・ホスピタル」のファンなので、タイム、ファミリー、オリジナルも購入しています。

コメントの投稿

コメント投稿フォーム