芳文社『コミックエール!』VOL.2

男のコ向けの少女まんが誌第2号。今号はメガネヒロイン”レンズ越しの恋”と題して,黒渕かしこシギサワカヤ日坂水柯の三氏の特集が組まれている。

また,公式サイトもリニューアルされており,一部作品のちょい読みや壁紙ダウンロードなどのコンテンツが用意されている。

【新連載】松沢まりさんぶんのいち。
おてんば,泣き虫,どんくさだった幼い日の三人。月日は流れ,泣き虫はキレイに,どんくさは頼もしくなっちゃって。そしておてんばの”あたし”は,変わり始めた二人の気持ちにまだ気づいてなくて――,という感じの話。三角関係ものだけどそこはエール,想い想われの向きが一味違う。おてんば娘って男女両方の側面を持っててキャラ的に絶対ズルいと思うのですよ。女の子は可愛く,男の子はかっこよく,そんな絵もいいなあ。
【集中連載(1/2)】須田さぎり「あいふぉ」
須田氏の同人誌作品の模様。大陸を牛耳る組織のボス。その元に突然現れたチャイナ的少女。彼女が持ち込んだ「薬」は,人を恋に溺れさせる薬だった。その薬を飲まされてしまったボスは――,という感じの話。ああ,私は惚れ薬的な小道具に弱い。正確には,そこから導き出される,自分の気持ちが暴走して制御できない,的なシチュエーションに弱い。きゅんときて悶えてしょうがない。VOL.1の「ラブイーブン」よりもこちらの方がはるかに好きだ。後編も楽しみ。
【新連載】水谷悠珠・かえで透境界恋愛少年少女
新しいお屋敷に引っ越してきたお坊ちゃま。広い屋敷のある部屋で,彼は赤い瞳の少女と出会うが,彼女は彼の目の前ですーっと消えてしまう。異世界に幽閉された少女,そんな言い伝えを聞いた少年は,彼女にまた会いたいと願い,そして――,という感じの話。今回は顔見せ程度。今後は何度も出会ううちに憧れが恋心に,的な展開なのかな。こちらの方は中性的な男キャラの絵がいいなあ。この絵が少年の純粋さをブーストさせている気がする。中性的と言えば,「胡蝶ノ姫」はストーリーもかなり衝撃的だった。
仙石寛子「背伸びして情熱」
この作者に活躍の場を与えた,それだけでこの雑誌は十二分に価値があると思う。消え入りそうに儚げな絵,モノローグとコマの間の使い方,それらが紡ぎ出す痛ささえ感じさせるストーリー,そのいずれのセンスも他に類を見ない。これが4コマ”だから”実現したのか,あるいは4コマ”でなくても”実現できるのかどうかは分からないけど,少なくとも「4コマでもここまでできるんだ」ということを感じさせてくれる,そんな作品。この才能を手放すことだけはして欲しくないと切に願う。
さかもと麻乃「リスランタンプティフルール」
VOL.1からの連載作品。とある女学園の中庭の花園「リスガーデン」は色とりどりの花が咲き誇る場所。その花のお世話をする女学生たちの話。設定といいタイトルといい,あの作品を連想してVOL.1ではスルーしたんだけど,今回の話を読んで「あ,これは違うぞ」と感じた。花やフリルや香水といった小道具が生み出す乙女っぽさのせいかもしれない。
あらたとしひら「魔法少女いすずさんフルスロットル!」
VOL.1からの連載作品。転校早々あるメガネ少女が出会ったのは,犬耳でちびっこな先輩・いすず。この先輩が実は魔法使い(ただしへっぽこ)で――,という感じの話。VOL.1ではギャグ要素が控えめだったんだけど,今回はプールでお決まりのあれやこれやが詰め込まれていて楽しかった。この方の作品で読みたかったのはこういうノリなんですよ。あと,いぬみみすとの私としては,いすずさんのふさふさしっぽも見逃せない。
【ゲスト】黒渕かしこ「大なり小なり」
メガネ特集作品の一。幼稚園からのメガネコンビだった大島くんと小島さん。小学校時代にメガネのせいで周囲から冷やかされる日々にうんざりした小島さんは,大島くんと絶縁すべく,中学生のある日にメガネを捨てたが――,という感じの話。小島さんのメガネ批判にも動じず,逆にカウンターの一言をさらっと放つ大島くん。このシーンを作り上げる二人のキャラクターが良いなあ。この方にはまた登場してほしい。
ろくこ「リトル・リトル」
絵が良い。とにかくそこが原点だと思う。少女と狐耳っ娘の表情も,フリルのしわも,ふさふさなしっぽの,背景の木々やレンガも,水しぶきの一滴でさえも。

VOL.1で感じていた不満と不安はどこへやら,VOL.2はかなり私好みの充実した内容だった。中でも仙石寛子,ろくこの両氏が私の中ではダントツ。両氏とも掲載ページ数は少ないけど,長く作品が続いて欲しいと思う。

次号は11月に発売。芳原のぞみ,うえだ美貴山本ルンルンの三氏が新登場。芳原氏はそもそもは『りぼん』系の方らしく,現在はタイム系列誌で4コマ漫画作品をいくつか連載してるけど,ストーリーものを読むのは,私はこれが初めてになりそう。楽しみ。

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#69: [漫画]立読み

  • 「短歌と短剣」探検譚
  • 2007年09月29日
  • 10時39分
・コミックエール! 「背伸びして情熱」仙石寛子 連載っぽい。四コマ的コマ割りの漫画。読み終わって驚いた。これ8頁もある! 編集者が凄いな。 感想リンク よつぎりポテトさん コミックエール!はさきたま書店や書楽(北与野)で置いてあった。 ・ヤングジャンプ漫革 「思春 ... 全文を読む

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