スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

新たな展開を見せる芳文社4コマ誌の新人攻勢―新人獲得から新人レベル向上へ―

(長文です。全文はこちらから。)

2か月前のことになるが,『まんがタイム』誌上にて第1回まんがタイム新人4コマまんが大賞の受賞者が発表された。この賞は昨年度から始まった芳文社4コマ誌合同の新人賞で,選考には植田まさし氏も携わっている。

4コマ誌の新人賞では,竹書房誌にも同様の新人賞Y-1グランプリ」(旧「竹書房漫画新人賞」)が設けられている。そして,他のいくつかの漫画賞にも言えることだと思うが,この賞は大賞がなかなか選出されないことで知られている。現在数多くの4コマ誌で活躍されているむんこ氏や,最近「動物のおしゃべり♥」で注目を集めている神仙寺瑛氏などもこの新人賞を受賞されているが,いずれも大賞の2歩手前の佳作止まりだった。

この前例があったので,まんがタイム新人4コマまんが大賞も同じような結果に終わるだろうと,私は思っていた。しかしふたを開けたら,予想とは違う結果が待っていた。大賞が選出されたのだ

まんがタイム新人4コマまんが大賞では,第1回から大賞が1作品,さらに奨励賞も3作品選出された。これらの作品には総額100万円の賞金が送られると同時に,芳文社4コマ誌での連載が決定した。既に『まんがタイム』では大賞作品の袖山リキ「プチタマ」の連載が始まっている。これだけ見れば,初回から期待の新人を数多く集めることができた,大成功の新人企画である。

しかし,募集要項をよく読まれた方は「大成功」の部分に違和感を覚えるかもしれない。なぜなら,募集要項には既にこれらの人数が書かれているからである。つまり,初めから大賞1名と奨励賞3名が選出されることは,投稿された作品の良し悪しにかかわらず決まっていたのではないか,という主張だ。そしてそれは有り得る主張だ。少なくとも,選考プロセスがどちらであったのかは外部の人間がうかがい知ることはできない。

私がこの記事で述べたいことは,そのようなプロセスの不透明さ,あるいは私の半径ワンクリック内の方々や私自身が感じている受賞作品への不満,ではない。私が述べたいのは,芳文社の新人に対する積極さである。

芳文社は竹書房と比べて,新人にも誌面を割いて活躍の場を与えると同時に,新たな才能を発掘することに積極的であるように感じられる。それは上に書いたように,2社の雑誌横断的な新人企画を比べることでもそれなりに分かる。

または,4コマ漫画家の登竜門と言われてきた『まんがタイムジャンボ』を取り上げてもいいだろう。この雑誌では「新人4コマ鑑定団」から現在の「D1読選グランプリ」まで,新人企画が脈々と続いている。かつてこの企画を経た漫画家に,現在の人気作家である師走冬子氏や海藍氏などがいることからも,登竜門的な雑誌であることは頷けるだろう。

あるいは,『まんがタイムきらら』の創刊,そして近年の芳文社4コマ誌に見られる「まんがタイムきらら化」も,その過程で同人作家やフレッシュな絵柄の新人を発掘してきたし,今後もしていくだろう。

さて,このような芳文社の新人に対する動きは,ここに来てさらに進みつつあるように思う。それは,ここ1~2か月の芳文社4コマ誌で始まったテーマ型の新人企画である。これは企画開催毎にあるテーマ(これまででは「晴れの日」「衣替え」「旅行」など)が設定され,数名の新人がテーマに沿った4コマを数本描くというものである。

この企画において特記すべき点は,企画が非きらら系列7誌のうち6誌で同時多発的に開始された点と,毎月継続的に行われている(そしてこれからも行われていくであろう)点である。これまでにも,先ほど述べたような新人企画や,雑誌巻末での新人投稿作品の紹介,新人のゲスト掲載などはあったが,今回のように継続的かつ全誌的な新人企画はなかったように思う。

登場する漫画家は,過去に何度かゲスト掲載された方々が多いことから,企画の主目的は全くの新人を発掘することにはないのかもしれない。むしろ毎回異なるネタを継続的に執筆させ,それを読者に評価してもらうことで,新人のネタの幅と深さの向上を計っているように思われる。その点でこれまでとは趣が違う新人企画だが,いずれにしても新人に対する貪欲さが増していることは間違いないだろう。

ここに来て新たな展開を見せ始めている芳文社の新人攻勢。ここからまた新しい作家が登場し,価値ある作品を世に送り出してくれることを願ってやまない。

参考文献

トラックバック

http://sweetpotato.blog58.fc2.com/tb.php/638-924b06ec

コメント

コメントの投稿

コメント投稿フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。