芳文社『まんがタイムきららフォワード』Vol.8

【ゲスト】カザマアヤミ「なきむしステップ」
人見知りで泣き虫な女の子は,席替えの日を前に不安の夜。でも次の日,新しく隣になった男の子は,彼女と同じウサギ飼い。ウサギの話をするうちに,彼女はもっと彼と話したいと思うようになる。しかしある日,彼女がいつものように登校すると……。
二人の恋へのステップが,ガンガン的な中性的な文法で描かれる。ベースのテーマは少女漫画に一般的だと思うけど,ウサギを持ってくるところが,「かさぶたさん」と同じくちょっと変わってるなあ。ポイントで見せるキャラの表情,特にその「目」に引き込まれる。特に,女の子が泣きながら想いを伝える場面が良い。「泣き虫」ってズルい記号だ。一方で,「ちょこっとヒメ」と同じ動物擬人化手法が,人間視点と動物視点のギャップでもって作品におかしみを与えている。こういう,ギャグが所々に入った少女的な漫画が好きだ。また登場して欲しい。
【新連載】三嶋くるみ「ろりーた絶対王政」
Vol.4Vol.5にゲストで登場した三嶋氏が新連載。女子が苦手な高校生男子。ある日,彼は父が連れて来た同い年の双子の女の子と同居することになった。華奢な姉と幼げな妹。彼女らを扱いにくいと感じつつも,男の子は姉の笑顔に惚れてしまう。
女の子のことをふわふわした花みたいになっていたと感じる一方で,花のように笑う裏で何考えてんのかさっぱりわかんねーしとも思う男の子の気持ちがよく分かる。ちょっと力を込めたらたやすく壊れてしまいそうだから――あるいは,壊せそうなのに――触れることができない,きっとそんなもどかしさ。これは男の子視点だからこそ成立する作品だろうし,男の子だからこそ楽しめる作品だろう。ちょっと「男性向け少女漫画」の糸口がつかめた気がする。

しつこいようだけど,この両名こそ『コミックエール!』に来て欲しかったりする。

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