芳文社『まんがホーム』2007年4月号

今月号はどの作品よりもまずこの作品を。

【ゲスト】仙石寛子「桜姫」
今は昔,桜の国に,子供がいない夫婦がいた。ある春の日,二人は桜の神様と出会う。来年の春に迎えに来るけえ それまで娘を預かってくれんかのー,神様はこう言い,二人に桜の姫を預け,三人は一緒に暮らすことになった。夏,秋,冬と季節は過ぎ,そしてまた春がやってきた――,という感じの話。
素晴らしいのひとこと。夫婦はただ姫を愛す。いつか来る別れゆえに初めはそっけない姫も,その愛に気づき,最後は笑顔を見せる。そんな三人の姿が季節の移ろいとともに,どこか儚げなタッチの絵で描かれる。いわゆる4コマの起承転結の枠を完全に脱し,淡々と進むストーリーは,不思議な,しかし優しい読後感を与えてくれる。
同人誌ならまだしも,商業誌でこのような作品が読めることにも感激した。編集の方の英断に本気で拍手を送りたい。そして是非,是非とも再登場を。

あとはいつもの通りに。

宮原るり「恋愛ラボ」
ドジっ娘の書記が登場。会長の秘密を知ってしまってさあ大変。なんて面白いキャラたちなんだ。さらなるドタバタへ突入の予感。
ほへと丸「ヨメけん」
真面目男子の高崎君にスポット。真面目さゆえの思い込みラブっぷりが滑稽でありらしくもあり。最後は目が覚めてめでたしめでたし……かな?
【ゲスト】御形屋はるか「はなたま」
1月号以来の再登場。ドジなメガネっ娘大学生と,縁結びの神様の見習い・はなたま様の話。「ぽてまよ」と同じで,小動物的キャラの成長を見守るような展開なのかな。そしてこのメガネっ娘はベタ過ぎる。
豊田アキヒロ「てんたま。」
天使の女の子は主人公と同じ学校,同じクラスに。こちらもベタなギャルゲー的展開。幼なじみの女の子の照れる姿も可愛い。次はクラスでひと騒動かな?
【最終回】秋吉由美子「うちの母親待ったなし」
最終回。これで秋吉氏の芳文社での連載は,ファミリーの「はるなちゃん参上!」とタイスペの「まつのべっ!」のみに。しかも「まつのべっ!」は今月発売号で最終回が確定済。このままだと「はるなちゃん参上!」も終わりそうな予感。

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コメント

#179: 私は...

  • フタバ
  • (URL)
  • 2007年03月07日
  • 00時10分
  • 編集
最初にまず『らいかデイズ』、森島先生の新作『お江戸~』から
読んでしまいました...Orz

私は仙石寛子さんのことを良く知らないのですが、
今回の作品は味があって良かったですねぇ。
(最初は姫のツンデレ話かと思いましたw)

というか、この作品のクオリティならアフタヌーンなんかで
短期集中連載しても良いんじゃない?と思ったりしました。
(絵柄はどう見ても講談社向きではないですが
いや、ホワイトハート文庫ならイケルかも?)


ps.仙石寛子という作家さんは同人作家の間では有名らしいですね。
同人&BL好きな後輩に聞いてはじめて知りました。
なんでも絶望的な作品を書くのが得意とか(^^;

#183:

  • すいーとポテト
  • (URL)
  • 2007年03月09日
  • 23時06分
  • 編集
フタバさん,遅くなりましたがコメントありがとうございます。

仙石氏は創作系のイベント「コミティア」を中心に活動されてますね。フタバさんは「絶望的」とおっしゃいましたが,実際そんな感じで,痛々しいストーリーの漫画を描かれることが多いです。

そんなわけで,『アフタヌーン』というのは妙に納得してしまいました。

#184:

  • フタバ
  • (URL)
  • 2007年03月10日
  • 14時39分
  • 編集
なるほど、情報どうもです。
私は同人誌関係はほとんど分からないので、
今度まんだらけ辺りで発掘してみることにします。

しかし、今回の作品も何回も読んでいると
壷に嵌まりますね(^^

#301: Re: 芳文社『まんがホーム』2007年4月号

  • みりより
  • (URL)
  • 2008年07月14日
  • 23時51分
  • 編集
仙石寛子さんの枠にとらわれず、淡々としかし確実に何かが心に響いてくる読後感が溜まりません。絵はかわいらしいのに、なにやら気迫が作品から伝わってくる…と感じるのは私だけでしょうか…?イヤイヤ。本当に漫画を愛している人なのでしょう。ページ数以上に印象深く、満腹感があるのですから。

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