
ひょんな事から女子高に入学することになったオレ 野沢由貴(15)
悠木「もー いつまで鏡見てんの?学校いくよっ」
由貴「…今年から共学のハズなのに なんで男子の制服がないんだろう…」
悠木「面白いからじゃない?」
一智啓『ももえん。(1)』 p.10
倒錯の桃園へようこそ。
一智啓「ももえん。」は,芳文社『まんがタイムきららMAX』にて連載中の4コマ漫画。ひょんな事から,姉・悠木と同じ高校に女装をして通うことになってしまった少年・野沢由貴。しかし彼が美少年であるがゆえにその事実には気づかれず。彼の友達で同じく美少年の蓮,どう見てもゴリラにしか見えないのに,たまに超絶の美少女に変身する男の子・真(通称まこちん)と共に,ハーレムだけどヒヤヒヤの日常を送るという話。
設定の時点で既にぶっ飛んでるわけだけど,話はさらに奥が(いや,業が?)深い。通学路の交差点で出会い頭にぶつかった先輩の女生徒に恋する由貴くん,そして下級生の女の子からなぜか好かれる由貴くん。元々の性で見れば普通の恋のはずなのに,姿は両方とも女の子。これは百合なのか?違うのか?いずれにせよイケナイ雰囲気が漂っている。
ここにさらに「ひょっとして由貴くんて可愛いんじゃないか……?」と思った暁にはもう訳が分からない。倒錯しているのは由貴くんを始めとする登場人物じゃなくて自分?でも本当可愛いんです。抗えないんです。……はっ!俺は今何を!
そんなこんなでドタバタ展開が繰り広げられるんだけど,実はこの作品,何の説明も無しにシーンが飛ぶことが多くて,微妙に読みにくい。じゃあ作者は構成が下手なのかというとそういう風にも感じなくて,むしろこれって作者の女性的感性なんじゃないかなあとも思う。女三人集まってハイテンションでおしゃべりする姿を傍目で眺めているあの感覚。ああ,これって,カザマアヤミ「ちょこっとヒメ」の時にも感じたような。
ともあれ,こんな感覚を感知しやすいアンテナを持っちゃってる自分としては,この作品はとても心地いい。今後の連載にも期待。あと,誰かがジェンダーの観点から深く語ってくれることを切実に希望。

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