小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻(完)

小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻

ママが死んでここに来た時は あたしは世界一不幸だと思ってたけど

いつの間にか世界一幸せかもしれない

小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻 p.100 「幸せ」

まさに幸せにあふれた最終巻。

小笠原朋子「ウワサのふたり」は,既に竹書房まんがライフオリジナル』での連載が終了した作品。売れっ子二枚目俳優の弓削誠(表紙右)と,その隠し子である小学5年生の佐倉一花(表紙左)の日常を描いた作品。

最終巻の今巻では,誠が一花のことを公表する。ここからの二人の周囲の人たちの温かさがたまらなく良い。誠のマネージャー,一花の学校の先生,お隣りに住むファンの奥さん……。みんなが二人のことを支え,応援する姿が胸に来る。

そして二人を始めとする全員が幸せな結末を迎える。最終話は隠し子公表から3年後の話。二人は堂々と街を出歩けるようになり,一花の先生・小島すずは誠との仲が進展,お隣に住む一花ラブのクラスメイト・渉は誠にライバル心を燃やす日々だ。唯一,一花だけが,好きだったマネージャー・矢部さんが結婚して失恋してしまったけど,その一花の姿も決して暗くはない。

物語の最後は,一花の母・千花の墓参りで終わる。不遇だった彼女,その恋人,そしてその娘の三人が始めて報われるシーンには,幸せな結末に対する作者の良心を感じずにいられない。

振り返ってみれば,最初から最後まで良心にあふれた作品だなあと思う。誰もが優しくて,誰もが好意的で,誰もが幸せな結末を迎える。現実にはきっとありえないんだろうけど,物語の中くらいはこうあったっていいじゃないか。

小笠原氏の作品は基本的に好きだけど,今作は今まで読んだ作品の中で一番好きな作品かも。ただ,双葉社誌の既刊作品はあまり読んだことがないから,今度はそちらを読んでみようかな。

今巻は単行本未収録&DXゲストを迎えた描き下ろしコミック小冊子プレゼント企画あり。単行本表紙についている応募券で応募可能。全員プレゼントのようなので,ファンの方は忘れずに応募すべし。

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#49: 小笠原朋子『ウワサのふたり(3)』 読者プレゼント小冊子『ウワサのふたり 3.1』

  • よつぎりポテト
  • 2007年03月11日
  • 16時11分
つい先日,竹書房から小笠原朋子『ウワサのふたり(3)』の読者プレゼント小冊子『ウワサのふたり 3.1』が到着。右がその表紙写真。主役の父娘,誠と一花の姿。見た瞬間「これ何て同人誌?」と思うような装飾だけど,ちゃんと出 ... 全文を読む

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