本日,一迅社から創刊の4コマ誌。芳文社の『まんがタイムきらら』系列誌や,一迅社の他誌やアンソロで活躍する漫画家などが執筆。雑誌公式サイトではVol.1掲載作品の一部が1ページ目だけ立ち読みできるようになっている。
Vol.1の執筆陣は,湖西晶,東雲萌黄,ちざきゃ,銭形たいむ,まったくモー助,間狩修,智,中村カンコ,三ツ雪柚菜,神堂あらし,岬下部せすな,しんやそうきち,森圭二,きむる,杜菜りの,広輪凪,結城心一,神武ひろよし,電脳桜蛙団,ストライク平助,倉澤まこと,九暮華麗,内村かなめ,喜来ユウ,荒井チェリー(掲載順,敬称略)。
「表紙がきららと似まくり」とか「目次ページの構成がまんまきららじゃん」という瑣末なツッコミは置いといて,まずは単純に作品を楽しく読みましょうか。
- 【新連載】湖西晶「ソーダ屋のソーダさん」
- 巻頭カラー。
私 死んでしもうたみたいなんよ…
瀬戸内海に浮かぶ島の小さな店・早田(そうだ)商店の主・沙和(さわ)は,常連客の若者・斎田光哉(さいだみつや)にそう告げた。だが,目の前で確かに生きているように見える沙和に,光哉はとまどいを隠せない……,という感じの話。湖西氏らしくないしんみりさと,湖西氏らしい健康的なエロさが一緒になった作品。この雰囲気は新しいかも。しかし,さすがきららの第一線で活躍している湖西氏,可愛くてなおかつ面白い。沙和の妹・なつめも含め,三人のこれからの展開が気になる作品。 - 【ゲスト】東雲萌黄「きゃっぷな♪スラたん」
- 無くしていた愛用のペンのキャップが,可愛い人間の姿で持ち主の女の子の元に戻って来たという,ペンキャップ萌え擬人化4コマ。キャップの先端を頭に携え,ペン先である靴を滑らせてスラスラと字を書く「スラちゃん」の姿が可愛い。絵もほんわかできらきらしてて,何もかもが自分のど真ん中ストレートを貫いちゃった作品。最近の自分は萌え擬人化に弱すぎる。
- 【ゲスト】智「こはるびBOX」
- 動物とお化け,それぞれ片方が大好きでもう片方が大嫌いな双子の姉妹の話。個性的な姉妹の間のギャップが見ていて楽しい。しかも動物好きの子は,猫耳装備により猫と話せる特技付きですよ。そして猫と戯れるこの子の姿がおバカで,しかも和んでしまうのですよ。
- 智氏は今作が,スクウェア・エニックス『少年ガンガン』2000年8月号掲載「森の動物屋さん」以来のオリジナル作品。智氏はまた,9月28日発売の竹書房『まんがライフMOMO』にも,ともともみ名義で「えぷろんガール」がゲスト掲載。小学生と高校生姉妹のお手伝いさん4コマとのこと。こちらも楽しみ。
- 【ゲスト】三ツ雪柚菜「すこあら!」
- 女子高生ゲーマー・天取こあらのゲーム的日常を描いた作品。こあらとその友達との絡みがそこはかとなくエロティック。しかし格闘ゲームに対しては容赦がないこあら。ゲーマー魂を感じた。ゲームネタは思ってたよりも少なかったような。少なくとも「冒険の書は消えてしまいました」とスネークは分かった。グローブ型コントローラーはよく分からないけど,何かセガっぽいなあ。
- 【新連載】神堂あらし「すもも★あんみつ」
- 人間界に憧れる鬼の姫様・李(すもも)。お供の鶯(うぐいす)と共に鬼ヶ島を飛び出し,海を流れ着いた先には人間の男が……,という感じの話。最初から最後まで,李と鶯のおバカなハイテンポギャグが繰り広げられる。好きだなあ,こういうの。
- 【ゲスト】岬下部せすな「ひよのにい」
- 父の再婚により義理の妹・ひよこが出来た少年。しかしその義妹はやたらめっぽう強いスーパー幼女だった,という話。妹の可愛さもさることながら,理性と欲望の間で葛藤しつつ,最後は義母にクギを刺されるお兄ちゃんの姿も面白い。スーパー女の子という辺りが岬下部らしい作品だなあと思う。
- 【新連載】しんやそうきち「侵略ですよ?」
- 飼っていたウサギを亡くした姉弟。彼女たちの元に
この星に侵略に来た
という宇宙人が空から振ってきた。彼女はウサギ耳を持ち,名前も亡くしたウサギと同じだった……,という話。宇宙人にも全く動じずのほほんとしている姉と,全く動じずにツッコミを入れる弟。彼女たちに振り回される宇宙人の姿が,喜怒哀楽が激しくて面白く,可愛い。 - 【新連載】森圭治「こまらぶ」
- 漫研に入部しにきた女の子。彼女の動機は萌えキャラになりたいからだという……,という話。最初のページやこの設定を見ると引くかもしれないけど,2ページ以降は結構まともに話が進む。オタクネタが数多く出てくるけど,不思議と不快感はないのは,4コマ目の上手さにあるのかなあと思った。高津カリノ氏に通じるものを感じた。
- 【ゲスト】きむる「妖怪学園記」
- 一つ目に吸血鬼に猫娘,様々な妖怪が通う学校に転校してきた,一見普通の女の子。しかしそんな女の子には,本人も知らなかった秘密があった……,という感じの話。ちゃんと男キャラが出てくるところがいいなあと思う。女の子の可愛さを演出するのは,やっぱ格好いい男の子だな。ただ,妖怪じゃなくてもいい気がした。
- 【新連載】杜菜りの「レッドシップ・カプセルショップ」
- 父と母が突然世界一周の旅に出てしまい,ホビーショップを切り盛りしなければならなくなった姉妹と,その周囲の人々の話。話はお姉ちゃんを軸に進むけど,この子を含めて周囲のサブキャラがおバカかつシュール。特に,常に身振り手振りと発言が暴走気味なアルバイトの青年が面白すぎる。絵はシンプルだけど丁寧な感じ。これは今後も期待ですよ。
- 【新連載】結城心一「ちろちゃん」
- 『ZERO-SUM WARD』連載作品(現在は終了)「まとちゃん」の主人公・まとちゃんのクラスに,金髪ツンツンな転校生・ちろちゃんがやってきた,という話。WARDを読んでなかったから分からないんだけど,「まとちゃん」にちろちゃんは登場してたのだろうか。ともかく,おとぼけっぽくてちょっと黒いまとちゃんと,
あたしに デレ期はない!!
とツンツンしつつもまとちゃんに振り回されるちろちゃんとの妙なコンビが面白い。さすがだなあという感じ。そして『まとちゃん』単行本は11月7日に発売。 - 【ゲスト】神武ひろよし「ひめくりGirls」
- 白ランポニテの最強女子高生・ハルカと,見た目は女の子だけど中身は男の子・チカの二人の高校生の日常を描いた作品。いい意味で普通の学園もの。ハルカのライバル的存在の委員長が二人を引き立てている感じ。安心して読める作品。
- 【ゲスト】倉澤まこと「そふと くらっかぁ」
- 大きな妹と小さな姉の2人が切り盛りする,ファンタジー世界の喫茶店の話。姉ラブな妹が姉を溺愛する姿が可愛い。だけどそれだけになってしまっているのが残念。キャラの動かし方次第で,もっと面白くなりそうな気はするんだけど。
- 【ゲスト】九暮華麗「明日も晴れるYA!」
- 新人ナース,鬼先輩ナース,看護助手さんの病院でのお仕事を描いた作品。普通にお仕事ものという感じ。ナース萌えみたいなあざとさは全く感じられない。3人とも,お仕事に頑張ろうとする姿が見えて好感が持てる。ネタがもっと広がれば,病院ものとしてもっと面白くなりそうな予感。
- 【新連載】内村かなめ「もっと! 委員長」
- その厳しい取り締まりに,みんなから嫌われ,悪口を言われつづける風紀委員長の女の子。しかし委員長の本性はSではなくMだった。そんな委員長がいかにもな不良の女の子と出会ってしまって……,という話。委員長の厳しい表情と恍惚のギャップが面白い。本当に同一人物ですか。委員長の友達が,暴走気味な委員長を止める役割をしてバランスが取れていると言うか。いや,個人的には暴走しっぱなしの委員長も見たいわけですが。でもそれは雑誌には載せられないような姿になる予感。
- 【新連載】荒井チェリー「いつかまたかえる」
- この作品のみショート。ひょんなことで村の水神様の生贄に捧げられてしまうことになった少年の話。荒井氏のショート作品はたまに読むけど,コマ割りに何となく違和感を感じてしまう。それでもやっぱり中身が面白いと思えるのはギャグのうまさなのかなあと思った。
総括すると,読み込めば読み込むほど面白くなるという印象。事実,最初のページの4コマで「うっ」と思った作品でも,読み進めていくと面白くなる。創刊号として,次号を大いに期待したくなる内容だった。
「『きらら』とは違う独自性があるのか」と言われると,うーんと唸ってしまうけど,面白さはかなりのものだった。独自性は今後に期待するとして,とりあえずは質の向上と言うか,面白い作品を集めて欲しいなと思う。
次号は11月25日に発売。高野うい氏が登場する他,「Fate/stay night」の4コマも始まる模様。個人的にはアンソロの4コマよりも,オリジナル作品が読みたいと思っているので,これはどうかなあと思うところ。とりあえずアンケートに色々書いてみようと思います。

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