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総勢77名の執筆陣によるチャリティー4コマ同人誌――『まんがぶらふチアーズ!』

『まんがぶらふチアーズ!』

森井ケンシロウ主催の《サークル斑桐舎》による東日本大震災チャリティー同人誌(公式サイト)。全体の装丁、表紙、ページ数(236ページ)、誌内広告、果ては柱や天井や床のコメントに至るまで、全てが商業誌のような出来栄え。執筆陣は4コマ作家を主として総勢77名。個々のページ数は少ないながらも、商業誌ではなかなか見られない、味のある作品を見せてくれる。

小坂俊史「邪馬台国の謎」
邪馬台国について、畿内説派と九州説派で一般人の間でまで対立が起きているパラレルワールドでの日常。バカバカしい設定に見えて真面目に対立している人間たちに狂気じみた何かが感じられて引き込まれる。
野広実由「いつもこんなかんじ」
日常を謳ったポエム4コマ。重めの主題と絵本チックな描写の両方において、作者の4コマ誌でのイメージとはかけ離れた作品(主題は震災を意識している部分もあろうが)。作者名を伏せられたら誰が描いているか分からなくなりそう。作者は以前の同人誌『まんがぶらふオリジナル』にも、やはりイメージとはかけ離れた思春期4コマを寄稿している(商業誌版がライオリ6月号から読める)。そのポテンシャルたるや恐ろしい。
山野りんりん「GOGOナビ子さん」
カーナビの画面内に住むナビ子さん。山野作品的にチャーミングでおバカなナビ子さんが可愛くも可笑しい。頭に生えてるアンテナや道路模様の服は擬人化的にも読めて、擬人化脳の俺歓喜。これ是非とも商業誌でやりましょうぜ。今ならMOMO辺りで。
鈴木雄一郎(日路)「しずむちゃんチアーズ!」
作者の同人作品からしずむちゃんがチア姿で登場。2.5頭身のちんまいキャラでありながら、体が腰のところで二分できたり、体内にアリの巣ができちゃったりと、グロテスクさも含むしずむちゃん。可愛らしさと気持ち悪さという相反する要素を持つそのキャラに、嗜虐心のような感情で以って惹かれる。
カワハラ恋「こばと幼稚園」
恋敵(?)同士の幼稚園児。幼稚園児にして「女」な様を見せる二人が面白可笑しい。先生の一人もこの様をあっさり受け入れていて笑う。作者作品は女性キャラのこういった生の感情が実に魅力的である。
木野陽「ひかり通信」
灯火の消えた街中(被災した街を意識?)にたたずむ少女。親元に戻る飛行機の窓から見下ろす街の明かりは彼女を待ってくれているかのようで――。星々と街の明かりの描き込みが美しい。普段はほぼストーリー形式の作者だけど4コマ形式もありかと思った。ただ、飛行機の窓から街を見下ろすふたコマが左右鏡写しだったらどうなっていただろうと思わなくはない。これを機に4コマ誌でもショートストーリーを描いてくれませんかねえ。今ならライフ辺りで。
浦地コナツ「ちびふうふ」
背が低い夫婦の日常。ほのぼのとした作風は、過去(芳文社時代)の作者作品を知る身としては特記しておきたいところ。くらオリ5・6月号の「まちこう!」でも感じたけど、作者作品は相当丸くなったよなあ。
ふかさくえみ「ワタぼっこ」
ホコリの化身と同居する少女。ファンシー&ファンタジックさが実に作者らしくコミカルで、可愛い顔してホコリをぞんさいに扱う少女が可笑しい。ホント、ホームでもどこでもいいから、4コマ誌の中の人はちゃっちゃと作者を4コマ誌に呼び戻して欲しいわ。
山口舞子「ごはんですよ。」
ショート。とある夫婦と猫の朝。とにかく奥さんが可愛いのなんの。そもそものエプロン姿はもちろん、ハプニングに赤面する姿とかもうね。作者はこの勢いで商業誌でも夫婦の日常ものを描いてくれないかなあ。
天津向「命短し恋せよ4コマに」
4コマ好き芸人として知られる筆者によるコラム。「『だって愛してる』で家庭を夢見て~」と臆面も無く書いてしまう辺りに、筆者の4コマ好きさがよく出てるよなあと思った。筆者については、特定の作品について、その作品がなぜ面白いかということについての語りも見て/聞いて/読んで見たいのだけども。

総評。前のぶらオリがそれほど響かなかった自分としては、読む前は微妙な心持ちだったけど、読んだ後は方々にごめんなさいしたくなる内容。何よりも執筆陣がぶらオリと比較して多方面に渡っており、全体として雑誌然としているのが良い。割と広くの「4コマ好き」にオススメできる一冊。

なお、今年の夏コミでは『まんがぶらふすとろべり~』の刊行が予定されている。

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