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人間の姿をした動物たちの可愛さと楽しさ,そして飼い主との絆 ― 櫻太助『毛玉日和(1)』

櫻太助『毛玉日和(1)』

人間の姿をした動物たちが人間たちと一緒に暮らす世界。友人のペット写真を見て自分も猫が飼いたくなったもなかさん。家に帰ると玄関の前に倒れていたのは人間の姿をした猫・小豆。看病をし,野良に戻ろうとするのを呼び止め,小豆はもなかの飼い猫となる――。彼女らをはじめ,もなかのクラスメイト・雪くんと自由奔放な犬娘・コロン,もなかの担任・啓之丞先生と啓之丞ラブなリス娘・リス子の日常を描いた4コマ漫画。一迅社『まんが4コマKINGSぱれっと』連載。

何よりメスの飼われ者三匹がキュート。三頭身の小さい姿に大きな瞳と丸い頬を持つ彼女たちにはペットとして愛でたくなる可愛さがある。大きなリボンの服装も実に女の子らしい。そして見逃していけないのがその動物らしさ。毛繕い,不機嫌な尻尾の動き,お風呂嫌い,予防接種とカラー,冬眠,ペットフードなど,彼女たちの動物性は作中の随所で面白可笑しく描かれている。

そんな飼われ者たちと飼い主たちの日常は賑やかで楽しい。ツンツンな小豆は猫デレなもなかに溺愛されるが,時に素直になれず不機嫌さを見せてあずきを落ち込ませる。ヒエラルキー的に雪を下に見ているコロンはワガママの限りを尽くし,その度に雪に頭グリグリで躾けられる。自身を啓之丞の妻と自覚するリス子は,そのままごと的ながら純粋な「妻」の振る舞いで啓之丞を困らせる。そこには三組三様の関係性に支えられた賑やかさがある。

賑やかな楽しさと併せて,この作品では飼われ者たちと飼い主たちの絆が描かれている。もなかによって住所が縫い込まれたリボンを大事につける小豆。他の犬に雪を取られたくないと涙ぐみ雪に抱きつくコロン。優しい啓之丞を信じて疑わないリス子。そこには他の誰も割り込めない,三組の信頼と愛情がある。

極めつけは,飼われ者たちが人間の姿になった理由だろう。人間のことを好きになった動物は人間の姿になれる。そのことは一生に一人にしか打ち明けてはならない。もし人間がそのことを他の人に話してしまうと飼われ者たちは動物の姿に戻ってしまう――。それでもリス子は啓之丞にそのことを打ち明ける。これを飼い主への信頼と取らずして何と取れよう。一方の啓之丞は打ち明けられたことに責任を感じる。それは飼われ者からの信頼に報いる,飼い主としての責任であろう。

動物の可愛さ,動物と暮らす楽しさ,そして人間と動物の絆。それは多くの動物漫画が描き続けてきたことである。そしてこの作品でもそれは描かれている。飼われ者たちはその姿こそ人間だが,言動や飼い主との関係は確かに動物のそれであり,作品から動物漫画としてのエッセンスは少しも失われていない。獣耳好きな方だけでなく,動物好きであればぜひ読んでみて欲しい作品だ。

連載は『まんが4コマKINGSぱれっと』にて継続中。連載の方ではミミズク(notフクロウ)の福ちゃんが登場し,動物園の飼育員さんとの親子的なやりとりを見せてくれている。単行本で興味を持たれた方は連載でも読んでみて欲しい。

おとなり感想

読みながらデレデレニヤニヤ、鼻の下は延びっぱなしですよ。「3頭身のこーいう萌えキャラ」だと思ってもかわいいし、「うちのペットが実はこんなだ」と思ってもかわいい。たまらん。メインキャラが3人(匹)もいれば、好みのタイプも別れそうなもんですが、んもっ、みんなうちの子にしたいくらいかわいい。

濃霧-gNorm- ひょうたん書店 準公式サイト: うちにもこんなペットがいたらと思うと、もう悶絶ですよ 1巻目の「毛玉日和/桜太助」

「一生に一人にしか言えない」うえ、話を聞いた人間が他の誰かに話すと動物に戻ってしまうという「人型の成り方」を啓之丞に話したのは、リス子が啓之丞を愛していて、信頼しきっているからでしょう。

「もしリス子がリスに戻っても 啓之丞さんが決めたことならいいかな」とリス子が啓之丞に話す場面が、個人的にはこの巻で一番の名場面だと思います。

夕焼け旅人 『毛玉日和』1巻感想(櫻 太助:著・4コマKINGSぱれっとCOMICS・一迅社:刊)

全般を通して、人化した動物とその飼い主の、あるいは飼い主同士のコメディがメインなのだが、たまーにしんみりとする話や恋バナがあるのがポイントか。個人的には一番気になるのはもなかと雪の二人だったりする。雪は本当によいツンキャラだと思う。

毛玉日和雑記:いわめも:So-netブログ

とても近しい、人と人の関係ではちょっと成立しにくいような密接さを表現しつつ、けれどそこに若干の相容れなさ、人とは決定的に違っている様子も匂わせる彼らとの生活は、ありそうでちょっとない関係の可能性を感じさせてくれて、非常に面白い。こんなのと一緒に暮らしたらきっと楽しいぞ、そう思わせるようなわくわく感がすごいのですね。

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コメント

#419: Re: 人間の姿をした動物たちの可愛さと楽しさ,そして飼い主との絆 ― 櫻太助『毛玉日和(1)』

  • 1
  • (URL)
  • 2009年11月30日
  • 13時48分
  • 編集
福……ミミズク……。

#420: Re: 人間の姿をした動物たちの可愛さと楽しさ,そして飼い主との絆 ― 櫻太助『毛玉日和(1)』

  • すいーとポテト
  • (URL)
  • 2009年11月30日
  • 20時43分
  • 編集
「い いや 分類上は一緒だし!?」

ご指摘ありがとうございます。該当箇所を修正しました。

#423: Re: 人間の姿をした動物たちの可愛さと楽しさ,そして飼い主との絆 ― 櫻太助『毛玉日和(1)』

  • よしもと新太
  • (URL)
  • 2009年12月24日
  • 19時52分
  • 編集
単行本ではありませんが、雑誌「ぱれっと」で初めて読みました。
今月号は猫(小豆)のエピソードですが、コラムの通り擬人化とはいえ単なる漢の妄想だけではなく動物の習性もきっちり押さえているあたりがしっかりしているので違和感なく読めますね。
妄想とリアルのちょうど良いところを突いた作品といったところでしょうか。

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