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幼なじみで許嫁な女の子と姉二人に囲まれた甘いドタバタラブコメ ― やまぶき綾『Sweet Home(1)』

「約束通りお嫁にきたよ」。朝,伊織くんが目を覚ますと,そこには見知らぬ女の子。すぐさま駆けつける伊織くんの二人の姉・葉澄(はすみ)と和奏(わかな)。話を聞くに,女の子は伊織くんの幼なじみで許嫁の陽向(ひなた)で,一家の父が彼女を預かることになったという。しかしこの陽向,男の子と体が触ると格闘的な意味でつい手がでちゃう子で――。かくして,ひとつ屋根の下,三人に囲まれた伊織くんのハーレム+若干流血ライフ,あるいはドタバタの嫁・小姑戦争が始まった,という感じの話。芳文社『まんがタイムきらら』連載。

ラブ甘好き男子諸君ならば読んで損はない一作。三人が三様に,そして牽制し合いながら,伊織に向けるラブが実に可愛らしい作品だ。陽向は伊織くんの幼なじみかつ許嫁として,二人の姉との仲も意識しながら,彼に一途で疑うことのないラブを向ける。その姿はまさにメインヒロインにふさわしい。上の姉・葉澄は父母が不在の一家をまとめるしっかり者で,学校でも生徒会長を務めるクールビューティーだが,実は隠れブラコン。伊織くんの見えない所で見せるデレからは,彼女の素直になれない姿が垣間見えてグッとくる。小さい姉・和奏は素直なブラコン。突然やってきたライバル・陽向を徹底的に牽制したり,陽向と仲良くする伊織にやきもちをやいたりと,独占欲を隠さないお子様な姿が可愛い。声が付くなら間違いなく釘宮だ。

引用:やまぶき綾『Sweet Home(1)』9ページ1・2コマ目

さらに言えば,この三人はキャラレベルだけではなく,描線レベルからして可愛いのだ。第一話の最初のシーンにそれがよく表れている。細く端正な線で描かれる,陽向の丸い瞳,胸の膨らみ,腰のくびれ,洋服のしわ,ふわりとなびく髪,そして背景に咲く花,その全てが読者にダイレクトに陽向の可愛さを伝えている。背景についてさらに言えば,今回のように花トーンだけでなく,ある時には星トーンで,またある時には水玉トーンで,それぞれの場面のキャラの喜びや驚きといった心情を感覚的に伝えている。こういった描線・技法の部分には少女漫画らしさを感じる。

今作においては前述した一人+三人だけでなく,陽向のクラスメイト・奈々も欠かすことはできない。彼女は伊織と陽向がひとつ屋根の下に暮らしている秘密を握るトラブルメーカーとして四人をかき回してくれる存在であり,あるいは読者の〈代弁者〉でもある。伊織と陽向の仲を茶化すのはあたりまえ。陽向のバレンタインには「私を食べて と迫る 陽向」と裸リボンな姿を妄想し,葉澄には「ムチが似合う才女」と女王様な姿を妄想する(そしてそのどちらの姿も作中で描かれている)。単行本カバー裏では和奏に旧スクを着せる始末。平穏を求める伊織くんとしては全くもって邪魔な存在だろうが,読者的には「いいぞもっとやれ」と応援したくなるキャラだ。

さて,ここで男性読者の立場から「もし奈々が男だったら(例えば,伊織くんの男友達だったら)」ということを想像してみよう。その「奈々」が総スカンを受けることは明らかだ。「なぜハーレムの中に別の男が紛れ込むのか!?」と。だから奈々が女であることには理由があるのだ。彼女は,伊織に移入する男性読者のために,読者になり代わって読者が求める三人の「女の子」を引き出す役目を担っているのだ(これが〈代弁者〉ということ)。この役目を伊織自身に担わせるのは難しいだろう。彼が誰かの「女の子」を引き出した時から,彼女のルートが始まってしまうのだから。もちろん,この先にはそういう日が来るかもしれない。しかし,少なくとも今現在で四人の〈日常〉を描く上では,伊織が三人のヒロインの誰かに偏ることは望ましくない。伊織自身でなく,かつ女であることが,奈々というキャラにおいて重要であり,これがドタバタで甘くてちょっとスケベなラブコメ劇を支えているのだ。

――

今作のレビューは一旦ここでお終いにして,以下では作者別作品にも触れてみたいと思う。ここで取り上げるのは「Honey×Honey×Honey」だ。今作は作者のきららデビュー作で,「Sweet Home」がきららで連載される前に数回読み切りで掲載されていた(当ブログでの掲載時レビュー)。内容はというと,プリンスな女の子が女の子らしい男の子に告白される,という女装少年ものだ。今作から描線レベルの可愛さは健在で,全く男の子に見えない男の子は読者の(主に私の)心をかき乱して止まなかった。

女装少年ブームの昨今,萌え系4コマ誌でも女装少年作品がいくつか見られる。最近の作品では,玉岡かがり「ダブルナイト」が「Honey×Honey×Honey」と同様の関係性の二人を描いている。サブキャラレベルでは高野うい「あにけん」にも女装少年キャラが登場する。また,これから単行本が発売される作品では,桜みさき「魔法少女☆皇れおん(仮)」が変身系女装少年を描いている(4コマ漫画ナツ10でのレビュー)。

今こうして「Sweet Home」が単行本になったのは,もちろん雑誌連載での支持があったからであろう。しかしそもそも「Honey×Honey×Honey」の時点で支持を得られないでいたら,今作は雑誌連載すら叶わなかったかもしれない。だから,私は,ひとりの雑誌読者として,そしてこの作品のファンとして,単行本が出たことが何よりも嬉しい。そして,欲張りな読者としては,誌面と作者のスケジュールが許す限り,女装少年ブームの流れに乗って「Honey×Honey×Honey」を復活させてくれることを願ってやまない。

――

最後にまとめを。キャラレベルと描線レベルの両方において女の子の可愛さを描く作者・やまぶき綾。今作「Sweet Home」では三人のヒロインによる嫁・小姑戦争を実にキュートに描くだけでなく,男子諸君が期待するお約束やシチュエーションもふんだんに取り入れて,楽しいドタバタラブコメに仕上げている。単行本で作者が気になった人は,是非雑誌で読んで欲しい。冬は風邪のお見舞い,2月はバレンタインデーでチョコ,夏はプールで水着といった話が,現実の季節感と合わせて読むことができ,単行本とはまた違った楽しみ方ができるだろう。

おとなり感想

主人公はもてもてで、けれどその好意に誠実に応えてしまうと優柔不断な男になってしまう。そういう心配がこの漫画にはないのです。誠実で、優しくて、けれど彼の心は定まっているといってよい。そのため、安心して伊織を見ることができるのかも知れません。

こととねお試しBlog: Sweet Home

あざといを通り越して、それなんてエロゲの粋を極めた設定がまず素晴らしいと思います。作画の可愛らしさも手伝って、キャラの魅力もきっちり前に押し出せていると思うし、許婚・陽向とちびっこの方の姉、和奏が主人公をめぐって「うー」と牽制しあって、クールで頼れる姉、葉澄がやれやれという感じで止めに入りながら、実は内心で自分も弟を甘やかしたくてたまらないと思ってる構図がちょっとたまらないものがあるなあ。

Sweet Home(1) ★★★☆ | 睦月堂工房

陽向のモフモフな感じと和奏のツンツンにも なかなかの魅力を覚えるこの作品だけど、 葉澄の、自分の気持ちを抑えてクールに装ってる姿や ぬいぐるみに囲まれてホクホクしてる姿など 色んな表情を見せてくれるところにはかなわない。

今までに購入した漫画、ゲームのメモ Sweet Home 1巻

中盤から出てくる女友達の奈々が、個人的にはいいキャラだと思いますw 陽向の親友として相談に付き合うけど、基本的には面白さ第一で行動し、伊織や和奏をからかったりニヤニヤしながら見守ったりする女の子。 彼女の暴走は止まることを知りません。でもしっかりオチもついてるから安心。(笑 こういうキャラは一人はいないとね。

青い留置線・改 Sweet Home(1)

他の漫画とは明らかに違う。何が? 良くわからんが、たぶんオーラが。リスとかハムスターみたいな小動物が醸し出すかわいいオーラが今この本の中に確かに写し取られている現実。特にカラーはやばすぎる。

やまぶき綾「Sweet Home」 - ねこもまぐれる日記

すごい あまい

おれせん。 ≫ [単行本] やまぶき綾 ≫ Sweet Home 「ボディが甘いぜ!!」 ※ガード不可

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