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田川ちょこ『ひかるファンファーレ(1)』/まんがタイムコミックス/芳文社

田川ちょこ『ひかるファンファーレ(1)』

芳文社『まんがタイムジャンボ』連載。トランペットにあこがれて吹奏楽部に入った小さい女の子・ひかる。しかし彼女に与えられた楽器は最重量級の金管楽器,チューバだった――。

大きくて目立つけど知名度は低い。演奏時は女の子なのに大股開き。重くて運ぶのも大変。音は重く低く,吹奏楽の花形たり得ない。そんなチューバゆえのひかるの苦労と哀愁が,この作品の楽しさの源である。一例として,チューバの音と姿に向けられた言葉をいくつか集めれば「改造バイク」「除夜の鐘」「魔王」「バズーカ」などという有様。その言葉を受けるひかるの表情と言ったら,不憫で滑稽なことこの上ない。

一方,この作品では,ひかるの音楽への真摯さと喜びも描かれている。友達の部員の幾人かがオシャレや見た目に走る中,ひかるは楽器拭きのハンカチは楽器を傷つけないようにという思いで選び,演奏会ではちゃんと音楽で目立とうと意気込む。なんと真面目な姿だろうか。

そしてこの真摯な姿は,ひかるの音楽への喜びにつながっている。幼い子供たちが吹奏楽,そしてチューバへ向ける憧れのまなざし。彼女に向ける「カッコイイ」「吹奏楽やってみたい」の言葉。これでご機嫌になる彼女は現金と言えるかもしれないが,それも彼女の苦労,そして真摯さゆえと思うと,その喜びは自然に響いてくるのだ。

それぞれに少しずつ異なったスタンスの吹奏楽部員たちとの語らいは,日常シーンを楽しく演出してくれる。真紀はひかると対照的なイマドキな性格と態度でひかるを茶化し,場をにぎやかにする。努力家の黒田くんは,ひかるが目標とする姿,そして憧れの対象として,要所でひかるの真摯さを引き出している。ブリっ子腹黒の結衣は,読者からは表裏が見えてしまって嫌に見えてしまうキャラではあろうが,表裏こそ彼女の〈理〉であると気づかせてくれる「その一言」は強烈はインパクトでもって読み手に受け止められよう。

絵にも言及すべきだろう。くっきりはっきりなキャラの喜怒哀楽は軽快なストーリーの源でもある。特に女子キャラは,くりっとした瞳とピンクほっぺが,低めな等身と相まって実にキュートである。背景に目を向ければ,花・星・ハート・音符や太&短な効果線が,コマ内を楽しく,そして生き生きと演出する。私の好きな言葉を使うならば,実に〈かしましく〉にぎやかで,女の子らしい元気さにあふれている。

最近の4コマ誌では「音楽を題材にした4コマ漫画」が目立ち始めている。その中で「ひかる~」の特徴を一言でまとめるならば「吹奏楽部,そして音楽の楽しさを混じりっけなくストレートに伝えている」ことだろう。演奏会という目標に向かって,時にふざけあい,時に真面目に,部員同士で語り・励まし・協力する様そのもの。そしてその到達点としての演奏会での達成感。両者を自然に接続し,そして楽しく演出するセンス――あとがきにもある通り,それはチューバ経験に裏打ちされたものであろう――が,今作が作者の初単行本ということも忘れさせる力強さでもって伝わってくる。今後の活躍も非常に楽しみな作品,そして作者である。

おまけ

[2009年3月7日] 田川ちょこ『ひかるファンファーレ(1)』3冊

特典が付くとらのあなで3冊。NFK(日本複数買い協会)会員は息を吸うように複数買いをするのです。

おとなり感想

『ひかるファンファーレ』は、吹奏楽の世界に夢をともに飛び込んできた女の子が、一度は夢を壊されながらも、配属された楽器を相棒として新たに夢を育んでいくという、実に吹奏楽部的な面白さを描いている漫画であると思います。それはまさにスクールバンドの典型であって、それはすなわちスクールバンドの青春そのものといっても過言ではありません。

こととねお試しBlog: ひかるファンファーレ

そんな彼女の頑張りや楽器への愛情が、僕にとっては馴染みの無いはずのチューバを、何となく身近なものであるかのように感じさせてくれます。読み進める内に、触れた事も無い無機質な巨大金管に愛着すら湧いてきちゃったのは不思議。

漫画メモとか。 ひかるファンファーレ(1)/田川ちょこ

後半はチューバのネタも尽きてきたのか今度は演奏そのものに話題が移る。基本的に完全なギャグ指向には持っていかず、話の流れからの自然なギャグを織り込むので好感度が高い。

起承転々 【単行本】まとめて3冊【冬コミ終了】

キャラ重視になりがちな4コマですが、こちらは題材を上手く使っている模様。特にチューバネタは、意外と言っては失礼ですが結構笑えます。個人的には部長の登場回数が増えてくれないものかな、と。黒髪キャラが足りんのですよ。

オトコでも読める少女マンガ *新作レビュー* 田川ちょこ「ひかるファンファーレ」

吹奏楽部の知識が無い人でも楽しめるように、非常に丁寧に楽器などの説明がありつつも、 キャラクターを上手く掘り下げているので、非常に読みやすく、面白い作品に仕上がっています(^^ゞ。

『ひかるファンファーレ 1巻』の感想|まんが栄養素

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