2013年07月の記事

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甘党『ふわふわパティスリー』は五者五様にキャラが立っている ― 芳文社『まんがタイムきららキャラット』2013年9月号

甘党『ふわふわパティスリー』

再登場ゲスト。夏のさっぱり新スイーツ。職人気質なパティシエールのれもんさんを中心にみんなでワイワイと新スイーツを考える様が楽しい。れもんが突っ走り、菫がボケて、すぐりがツッコみ、なつが場をかき回して、苺が仕切る。役割がキッチリ分かれており、五者五様に分かりやすくキャラが立っていて面白可笑しい。加えて、端正な描線の可愛らしい絵柄と豊かな表情のキャラが読んでいて非常に心地良い。特にラスト一本、新スイーツに満足げななつの笑顔に胸キュン。今すぐ連載で読みたい。

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小笠原朋子『熊高手芸部』は同人作品の「その後の話」 ― 竹書房『まんがライフMOMO』2013年9月号

小笠原朋子『熊高手芸部』

ゲスト作品。小笠原さんの手芸ものって既視感があって調べてみたら、本作は小笠原さんの同人誌『08』に掲載された作品『男子sewing』の「その後の話」とのこと。女子ばかりの手芸部にやってきた転校生の手芸男子・早瀬くん。ボサ目の髪にするどい目つき、でも自分で作ったくまのぬいぐるみが好きなメルヘンキャラ、という早瀬くんのギャップが面白可笑しい。手芸部員の女子三人より女子力高そう。そんな彼に対して部長の石原さんは冷ややかな感じ。どうにもラブの芽生えそうにないこの状況から作者がいかにラブなコメを描いていくのかとても楽しみ。ぜひ続いてほしい。

ひだかあさひ『くしゅんッ!』

こちらはショートストーリーでゲスト。化け仔狐を飼う兄妹の話。所々途切れた描線で淡く描かれる、妹・トオルと仔狐・ちび助の姿が実に可愛らしい。小さい女の子と小さい男の子の組み合わせには誰も勝てませんよね……。MOMOに限らず、また読んでみたい。

新作やゲストが増えて面白い雑誌に ― 芳文社『まんがタイムオリジナル』2013年9月号

一頃よりも底の高い新作やゲストが増えて面白い雑誌になっている。タイム本誌と合わせて二大保守本流の印象が強かったけど、もうそういう時代でもないのだろうなあ。まだいくつかの作品についてハードルを越える読みを掴めていないので、読む側としてこれからちゃんと追いついていきたい。

クール狂信者『小森さんは断れない』

プール回。pixivだと描線が粗い作者という印象があるけど、こっちだとしっかりした太丸の描線なんだよね。そしてしっかりした太丸の描線だとキャラが可愛く映えるんだよね。17ページ左2コマ目のつぶらな瞳の小森さんとか、4コマ的には大きな見せ場ではないんだろうけど、かなりキュンとした。

『まんがライフMOMO』に通じる雰囲気 ― ぶんか社『主任がゆく!スペシャル』VOL.64

今月号はファンタジー作品――幽霊や妖怪や吸血鬼などの非現実的な要素をワンポイントとして含んだ作品――が目立つ。今月号に掲載されている作品では、たかの宗美作品を除いて、19作品のうち6作品がファンタジー作品と見なせる。直近の号の『まんがライフ』では30弱作品中1・2作品、『まんがタイムファミリー』では25作品中3・4作品であることを鑑みるに、ファミリー4コマ誌にしてこのファンタジー作品率は高めであると言える(たかの宗美を巻頭に据えた雑誌を「ファミリー4コマ誌」とすることには疑いはないだろう)。前述の6作品のうち4作品はゲスト作品であるとはいえ、これだけ同時にファンタジー作品を受け入れるファミリー4コマ雑誌は珍しい。

いちばん近い仮想敵は(中略)まんがライフMOMO」というVoyagerさんの意見にはひざポンした。ファンタジー作品を含む雑誌全体の作品の雰囲気、掲載作家(師走、神堂、佐野、永井(、桜沢、笹野))、雑誌名に看板の作品名や作家名を据えている点など、共通点も多い。

第9回まんが4コマぱれっと大賞発表 ― 一迅社『まんが4コマぱれっと』2013年9月号

第9回まんが4コマぱれっと大賞発表。奨励賞にチョーヤ、水沢あゆむ、ひしがた、柊タイガー、ラヰ、おぱんつん先生。受賞者の中では柊タイガーさんの作品を読んでみたい。二次創作4コマは軽妙なのよねこの作者。

正直なところ、まんが4コマぱれっと大賞は機能してる印象がない(単行本化までこぎつけた作者ってひびのこやしさん、和錆さん、北峰ラリュウさんくらい?)。新人賞にいい人が集まるということはそれだけ漫画家たちから雑誌に期待されているということでもあろう。今回受賞した作家・作品も本誌やonlineにゲスト掲載するなど、新しいものを継続的に見せ続けてほしいと思う。

野々原ちき『ぼくとことりちゃん』の陽菜ちゃんはアホの子かわいい ― 竹書房『まんがくらぶオリジナル』2013年9月号

野々原ちき『ぼくとことりちゃん』

新連載。作者が4コマ誌に登場するの久しぶりな気がする。背が小さくて真面目な博巳くんと発育は良いけどアホの子な陽菜ちゃんの日常。陽菜ちゃんの名字が「小鳥遊」なのでこのタイトルか。陽菜ちゃんを独り占めしたいオーラだだ漏れの博巳くんと、そんな気持ちを知ってか知らずか無邪気に博巳くんラブな陽菜ちゃん、という関係性にほっこり安心する。ボケ倒しの陽菜ちゃん、ツッコミ役の博巳くん、そして彼の友人でちょっかい出しの山吹くんの三者で回るコメディも可笑しい。特に博巳くんの青筋立った物言いの強いツッコミがこの作者らしい。一方、陽菜のようなアホの子キャラはこの作者としては新しい印象を受ける。ラス前4コマ目の笑顔で「結婚するの」は胸キュン感すごい。キャラ・関係性ともども楽しみ。

勇人『うしろのご先祖さま』

お隣りのお姉さん・音成さん襲来。霊観があって姉御肌なキャラ。休みはラフで仕事はキリッ、仕事人間だが根は純情。自身の中で二面性を持ちつつ菜々緒さんと対照的なキャラ立ちが印象強く、姉御的な面で菜々緒さんとご先祖様たちをかき乱す姿が可笑しい。作者のコメディ作品におけるキャラ配置の妙が如実にあらわれている様にさすがと言わざるをえない。

吉村佳『どろんきゅー』の関係性見せは進化する ― 芳文社『まんがタイムスペシャル』2013年9月号

吉村佳『どろんきゅー』

夏祭り、と言えば霊。佐倉さんと霊の関係性に安心感を覚える回。霊が佐倉さんに立ちはだかる不良を金縛りにしたり、彼女のパンチラをスケベ男子から守ったりする場面で、霊が佐倉さんに恐怖感を与えていないのがその理由だろう。佐倉さんにとって霊は恐怖の対象というだけでなく、彼女を知らないうちに守ってくれている存在であるということを、これらの場面によって見せている。怖がり佐倉さんとちょっかい出しアキちゃんの関係性に優しい霊をうまく絡めて、作品世界を広げてきていると言えよう。実に巧い。絵柄だけでなくキャラ間の関係性見せも進化する様に、作者のポテンシャルを見た。単行本1巻が8月7日に発売される。とても楽しみである。

昆布わかめ『あかりのみみはなんのみみ?』はキャラ絵と道具立てが面白そう ― 芳文社『まんがタイムきららMAX』2013年9月号

きららWebでも告知されているように、「2013夏の読書感想文コンクール」のお知らせあり。きららMAX掲載作品のいくつかについて感想文を募集。8月31日17時締切、400字以上2000字以下。締切とフォーマットが夏休みの宿題っぽくて良い。『ワンダフルデイズ』で書いて応募したい。

昆布わかめ『あかりのみみはなんのみみ?』

初登場ゲスト作品。年頃になるとけもみみが生える世界で、年頃なのにまだけもみみが生えていない少女・あかりの物語。ビジュアル度高いキャラ絵と、思春期+けもみみ変化という道具立てが興味深い作品。今ならミラクに載っていても違和感ない。今回はキャラ見せ程度。次号もゲスト。キャラ絵と道具立てが生かされた、可愛いけもみみっ娘たちと、なぜけもみみが生えるのかという巧みな物語を見てみたい。

碓井尻尾作品の面白さは様式美にあり ― 竹書房『まんがライフ』2013年9月号

碓井尻尾『紡木さん家の場合』

馬飛び練習結ちゃんを取り合ってお父さんとお兄ちゃんが文字通り血みどろのバトル。しかし結ちゃんはそのことを意に介さず菊池さんと仲良く練習。この四者の完成された関係性が美しく、そして可笑しい。作者作品の面白さはこの様式美だよなあ。

あづま笙子『かてきょん』

らいらとカムイくんがプール。いつもは教える立場のカムイくんが今日はらいらさんから教わる側に。あー俺もこんな可愛いお姉さんに水泳教えてもらいたい← 水泳後の居眠りの格別さも分かるわあ。隣にこんな可愛いお姉さんがいたら尚更だよね←

310『2倍まもります!』は掲載一周年 ― 芳文社『まんがタイムファミリー』2013年9月号

310『2倍まもります!』

夏と言えば海。前半は公平&左右パート。右の無邪気スキンシップに照れ、左佐には子供のように管理される公平のヘタレさが可笑しい。右の可愛い生き物キャラは見ていて胸キュンだなあ。後半は生徒会パート。クールな顔から公平ラブが漏れる横溝会長と、チャラ男さを隠そうとしない館岡副会長の、流されていくような奔放さがこれまた可笑しい。横溝の恍惚の表情は普段の姿とのあまりのギャップに笑いがこぼれる。

男女と青春こそ作者作品の強みであろう。両性の個性的なキャラ、その個性に惹かれる異性、言動に漏れてしまう相手への想い、そしてキャラの内面。今作だけでなく過去の作品を見ても、そういった機微を軽妙かつ丁寧に描くのがこの作者である、と私は信じている。今回が掲載一周年とのことなので、あと半年間続けば単行本の可能性もある。引き続き応援していきたい。

佐野妙『村ドル』

夏本番で地域イベントラッシュのロコドルペア。はしゃぐあおいに淡々とした紅子、ちょっとした態度の差こそあれ、二人が地域のアピールに前向きに勤しむ姿の何と爽やかで可笑しみのあることか。一日仕事でも若さゆえに活力を保ち、しかし次第にたまる疲労に家でもイベント会場のようについ振る舞ってしまうあおいは、今話の大きな見所だろう。二人自身の前向きさはもちろん、真面目な大崎さんや優しい老津さんなど、支える大人たちが作中にあらわれているからこそ、二人が生きてくるのだろう。

とかく、この作者の作品に登場するキャラは人間味があふれている。それは建前と本音、大人と子供、公と私、男と女などの差異を作中の随所に散りばめているからである。差異により、個々の登場人物のキャラが引き立ち、その人間味が強くあらわれるのである。アイドル4コマという規模を増すジャンルの中で、これは作者ならではの強みとなろう。これからも存在感を示し続けてほしい。単行本1巻は9月5日に発売とのこと。

『桜Trick』紹介企画の正しさに唸る ― 芳文社『まんがタイムきららミラク』2013年9月号

『まんがタイムきららミラク』2013年9月号 p.4

表紙に『桜Trick』TVアニメ化の文字が躍る。夏コミではグッズも発売されるとのこと。

今号は巻頭の『桜Trick』紹介企画が面白い。作品の舞台・美里西高校内の各スポットで春香と優がどのように仲を進展させていったのかを、単行本収録話の4コマを利用して紹介している。丸角の四角形で引かれるコマの数々は、それだけで既にアニメのワンシーンを静止画として切り取ったようではないか! 〈テレビアニメ的想像力〉でもって描かれる本作の魅力を正しくあらわした紹介方法と言えよう。

『桜Trick』については、こういったテレビアニメを想起させるような作画手法と『ミラク』という雑誌の作り方、そしてアニメ化された際の表現手法の差異について、より深い分析が求められよう。同時に、テレビアニメ的な中に宿る漫画的手法の分析も忘れられてはならない。それらは「自由」な4コマを標榜するミラクが何から自由になろうとしたのかを理解することの手助けとなるだろう。

宮月もそこさんの読み切り掲載が嬉しい ― 竹書房『まるごとお姉さん増刊号』

まんがライフ2013年9月増刊号。『うちの姉様』『かてきょん』『お姉ちゃんが来た!』『リコーダーとランドセル』など、姉や姉のような存在が登場する作品を集めた再録増刊号。いくつかの作品は描き下ろしあり。読み切り新作も3作品掲載。

竹書房のファミリー4コマ増刊号としてはこれまでにも、特定の作家を中心に組んだ『まんがライフセレクション』や、動物作品を中心に組んだ『あにまるパラダイス』があった。しかし、今回のように特定ジャンルの作品を集めたようなものは、私が知る限りでは初めてである。もし今後別のジャンルの増刊号が登場すれば、ジャンルを入口として、普段4コマを読まない人にとっての4コマ入門雑誌として機能しうるポテンシャルを秘めているように思う。

今回のお姉さん増刊号は自分のようなお姉ちゃん好き人間にとって理想の増刊号ですね! 『うちの姉様』描き下ろし編で倫くんがちょっと成長して背も伸びて凛々しくなって姉の事も「姉さん」と呼んで、でもたまに昔のように「お姉ちゃん」って呼びそうになるところとかたまらない。分かってらっしゃる。そして既存作品だけでなく読み切り新作を掲載している点も分かってらっしゃる。

宮月もそこ『お姉ちゃんデビュー』

読み切り新作。英香(あやか)は7つ上の姉に憧れる中学生の女の子。姉みたいになりたい、と思っていたところに、姉の友人が小さな妹のまなを連れてやってきた。これはまなちゃんの面倒を見てお姉ちゃんになるチャンス…!?

何よりもまず女の子が可愛い作品。丸い瞳、ふわふわな髪、柔らかな体のライン、そしてオシャレな洋服と、どのキャラも女性的な魅力にあふれている。まなもその例外ではなく、また小さい子らしく自由奔放に遊ぶ。そんなまなに振り回されながらもお姉ちゃんとして頑張ろうとする英香の姿が可愛らしくほのぼのと和む。最後の一本は、無邪気に非情なまなの子供らしさ、そしてお姉ちゃんとしてまだ一歩も進めなかったけどこれから進んでいける英香の希望を見せてくれて、人間味と家族性を感じさせてくれる。

作者は4コマ誌初登場かと思いきや、以前ライオリに『兄がライバル!』という作品が掲載されている(「朧月」名義で作画を担当)。この絵は今の4コマ誌において強みになろう。特にオシャレさは男性だけでなく女性に対しても訴求力がありそう。今回の増刊号掲載をきっかけに、ぜひ本誌側でも掲載されてほしい。

山野りんりん『俺の姉ちゃんはアイドルです。』

こちらも読み切り新作。モモタくんの姉は三人組ロコドル「ういろうガールズ」のセンターを務めるクリコ。姉が人知れず消えないよう、モモタくんはアイドルを研究して姉を守ると決意する。

小さい体にぶっ飛んだダンス。頭に「イロモノ」がつきそうなアイドルとしてのクリコが面白可笑しい。その微妙さをツッコミポジションから示すモモタくんもいい味出してる。メンバーのアズキはクールでちょっぴり黒い、クリコとはまた違ったキャラで楽しい。

見た目の可愛さとキャラの強烈さのギャップが面白い、実に作者らしい作品。今回はチラ見せだけだった「マッチャン」もどんなキャラなのか見てみたい。こちらの作品もぜひ本誌側で掲載されてほしい。

極道さと平凡さの対比、そして可笑しみと物語性の両立 ― 火ノ鹿たもん『花の任侠物語しずか(1)』

『花の任侠物語しずか(1)』

静花(しずか)は普通な生活に憧れる、極道の一人娘。家庭の事情で小中学校にはほとんど通えなかった彼女はついに高校に通えることになった。ただ、彼女が思い描く「普通な生活」はどこかズレていて――。芳文社『まんがタイムジャンボ』連載作品。作者・火ノ鹿たもんは今作が初の単行本作品となる。

この作品の面白さはまさにしずかにあろう。友達とやりたいことは花札、盃事、拳銃の見せっこ。交わす会話に時々にじみでるドスの効いた言い回し。自身を襲う野球ボールやチョークは弾丸のごとく避け、射的は百発百中、仮装での着物は完璧にに着こなす。思考、発言、行動のそれぞれにあらわれるしずかの極道の娘としてのキャラは、堅気の級友や教師からは特異なものとして受け止められる。しかし、しずか自身はそれが当然のこととして染みついているのだろう、他者から特異だと受け止められていることに気づかない。ここにおいて示される、極道の普通とカタギの普通の対比、そしてしずかの自己像と他者が捉えるしずかの像との対比が、しずかの学校での言動を面白可笑しく演出しているのである。

しずかは家庭の中でも異彩を放つ。コワモテの舎弟に指を差し出させてネイルアートをし、刺青には少女漫画風の落書きをし、盃や日本刀はビーズでデコる。加えて、組の親分でもあるしずかの父はとても親バカで、しずかの言動を全肯定する。そんなしずかと親分に舎弟たちは振り回されつつ、しかし親分のお嬢たるしずかを支え、見守り、また組の紅一点たる彼女にいい格好を見せようとする。極道に囲まれた中でしずかが普通の女の子のように振る舞うことによって極道と堅気の差異が示され、その差異が可笑しみを生んでいるのである。同時に、しずかの周囲の人々は彼女の振る舞いを肯定していると言える。

ここで強調したいのは、しずかの「私は普通の女の子だ」という自己像は高校でも家でもブレていないこと、それにもかかわらず差異による可笑しみが生まれている点である。これを色に例えれば、高校は青、家は赤、そしてしずか自身は紫といったところだろう。そして、しずかは高校の級友から見れば赤っぽく見え、家の舎弟から見れば青っぽく見え、しかし自身のことは常に紫だと思っている、と言えるだろう。すなわち、作者はしずかのキャラを状況に応じて変えるのではなく、高校および家庭という複数の状況を用意することによって、同じキャラからいくつもの可笑しみを引き出していると言える。

こうして、周囲から肯定され、そしてブレることのないしずかのキャラが礎となって、彼女の日常物語は可笑しくも安心した読後感となっている。初めてのハンバーガーショップに友達の家での勉強会、そして風邪なのに無理して登校した日。普通のお作法を知らず不安を感じるしずかは、しかしこうした出来事を通じて普通とはどのようなものであるかを獲得していく。その過程において、しずかの行動が咎められることはあれど、人格(=キャラの原義!)が否定されることは決してない。極道の娘と普通な生活に憧れる女の子。作者はしずかの持つ二つの対極的なキャラを、可笑しみと物語の両方から巧みに描いているのである。

極道さと平凡さの対比、そして可笑しみと物語性の両立。キャラが立っている4コマ、そしてストーリー4コマが市民権を得た昨今において、本作はそのお手本とでも言うべき丁寧な作品である。ぜひ、その巧みさ、そして面白さに触れてほしい。

おとなり感想

普通じゃないからこそ普通に憧れる。静花さんほど浮世離れした環境で育ってきていると、やはり一般的な学校生活とか家庭環境とかは相当珍しいようで、それが故の反応が色々と初々しくて微笑ましくも可愛らしく見えてきます。

極道の娘(おんな)は可憐にて候 『花の任侠物語しずか』 1巻 - 謎鳥

箱入り娘というジャンルはどうにも我々の心をかき乱す何かがあるようで、そういうキャラというのは枚挙に暇が無いレベルですが、それでも893の娘で箱入り、というのは中々類を見ない存在です。そのせいで一般生活でも893的勘違いをすると言う場面も多く、それを見るにつけこの子、ちゃんとやっていけるのだろうか。と思わされますが、周りの暖かい感じでなんとかやっていけているのが印象的です。

感想 火ノ鹿たもん 『花の任侠物語しずか』1巻 - オタわむれ-日々是寝言-

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