山野りんりん『ちこりん日記(1)』

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山野りんりん『ちこりん日記(1)』

○月□日

今日は水泳でした。

せりかちゃんがナイスバデーでよかったです。

夜 お兄ちゃんがパトカーに乗って帰って来ました。

すごいな、お兄ちゃん。

明日もよい日でありますように…♥

山野りんりん『ちこりん日記(1)』 p.28 「ちこりん日記」

予定調和に向かう過程を安心して楽しめる作品。

山野りんりん「ちこりん日記」は,竹書房『まんがくらぶ』連載の4コマ漫画。成績優秀ながらマイペースで天然な中学生の女の子・ちこりと,そんな妹を溺愛する大学生の変態兄・セイジの日常を描いた作品。

何事にも動じないちこりを中心に,家族やクラスメイトなど周囲の人間がドタバタを繰り広げる。特に兄・セイジは,その妹溺愛ぶりが元で,毎回不審者扱いされて警察のお世話になる。その姿は作中のキャラの中でも最も滑稽であり,ちこりの天然さと並んで,作品のおかしさの主軸のひとつである。

各話の最後は,寝る前のちこりの日記シーンで締められる。普通の人とずれた感性の文章と,書き終えた後にありえない寝相で寝る姿がまた笑いを誘う。

この警察と日記は,各話にほぼ必ず盛り込まれている。一見ワンパターンに見えるが,実際に読んでみるとこれが心地いい。今回のセイジはどんな風に警察のお世話になるんだろう,今回のちこりはどんな日記を書くんだろう――。そんな予定調和の結末に向かう過程を安心して楽しめる作品だと言っていいだろう。

私屋カヲル『ちびとぼく』8巻

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私屋カヲル『ちびとぼく』8巻

ばるたん「ギニャ〜〜♥」

こんな日が ずっと続くと思っていた……

私屋カヲル『ちびとぼく』8巻 p.12「幸せな日々」

郵貯の男とばるたんの明日は。

私屋カヲル「ちびとぼく」は,竹書房『まんがライフオリジナル』にて連載中の4コマ漫画。猫好きの男の子・ケンヂくんと,彼に溺愛される猫・ちび,および彼らの周囲の猫好きな人々の日常を描いた作品。

8巻は,まず表紙が面白い。このちびにセリフをつけるなら「うーん,ほどよい塩味」といったところかな。え,食べちゃうんですか?

8巻の主役は,真面目公務員(もう公務員じゃないかな?)・郵貯の男と,彼の飼い猫で元は捨て猫のサーバルキャット・ばるたん。ばるたんと幸せな日々を暮らしていた郵貯の男は,ある日,ペットショップのサーバルキャットの値札を目にする。そこには彼の給料の何倍もの値段が。それを期に,元の飼い主のこと,そしてばるたんとの別れが頭の中に浮かぶ郵貯の男。さらにサーバルキャットが規制動物ということも知り,揺れる郵貯の男。彼らに安寧の日々は訪れるのか……。実は連載のほうでは,この一人と一匹の結末は既に明らかになっているのだが,それは次の単行本に期待することにしよう。

この他,8巻には「実録ちびとぼく」やゲスト寄稿も収録。ゲストは犬上すくね氏と後藤羽矢子氏。ともに猫擬人化。最近は猫擬人化が流行ですか?犬上氏の描く,ヤクザのアニキと仔猫ちゃんの絡みはなんともエロティック。また,単行本プレゼントにはちびとぼく4コマバスタオル。絵柄が気になるので応募する。

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『ちびとぼく』7巻は買ったけど感想は未筆。

みずしな孝之『けものとチャット』2巻

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みずしな孝之『けものとチャット』2巻

会長「ねえねえ!このDVDのニャンちゃん達はなんて言ってるの?」

猫1「いやー よくこんなもんに6800円も払うよなー」

猫2「ゴロゴロしてるだけでボロ儲けか!」

猫3「ったくチョロいよなー ネコ好きな奴は」

会長「あなた個人の感想じゃなくって!!」

茶々「こいつらが言ってるんだっつーの!!」

みずしな孝之『けものとチャット』2巻 p.67「副音声」

猫に幻想を抱く会長。そんな会長はどこ吹く風の猫たち。

みずしな孝之「けものとチャット」は,竹書房『まんがくらぶオリジナル』にて連載,および『まんがくらぶ』にて季節連載中の作品。それほど猫は好きじゃないけど,猫としゃべることができる少女・毛野本茶々の,猫に囲まれるウンザリな日常を描いた作品。

2巻では猫好きの生徒会長と茶々の能力の双方が双方にカミングアウト。猫好きなのに猫に嫌われ,猫に幻想を抱くも茶々にことごとく幻想を潰される会長の姿が滑稽。猫たちの会話は相変わらず超現実的でどこか人間っぽさがある。この辺が普通の猫ラブ漫画とは一線を画すところかも。

近代麻雀に掲載された「けものとチャンタ」や,作者自身の猫体験「けものとしなっちょ」も収録。こちらもバカバカしくて面白い。

みずしな氏は現在,livedoor デイリー4コマでも「けものとチャット」を連載中。

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小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻(完)

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小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻

ママが死んでここに来た時は あたしは世界一不幸だと思ってたけど

いつの間にか世界一幸せかもしれない

小笠原朋子『ウワサのふたり』3巻 p.100 「幸せ」

まさに幸せにあふれた最終巻。

小笠原朋子「ウワサのふたり」は,既に竹書房まんがライフオリジナル』での連載が終了した作品。売れっ子二枚目俳優の弓削誠(表紙右)と,その隠し子である小学5年生の佐倉一花(表紙左)の日常を描いた作品。

最終巻の今巻では,誠が一花のことを公表する。ここからの二人の周囲の人たちの温かさがたまらなく良い。誠のマネージャー,一花の学校の先生,お隣りに住むファンの奥さん……。みんなが二人のことを支え,応援する姿が胸に来る。

そして二人を始めとする全員が幸せな結末を迎える。最終話は隠し子公表から3年後の話。二人は堂々と街を出歩けるようになり,一花の先生・小島すずは誠との仲が進展,お隣に住む一花ラブのクラスメイト・渉は誠にライバル心を燃やす日々だ。唯一,一花だけが,好きだったマネージャー・矢部さんが結婚して失恋してしまったけど,その一花の姿も決して暗くはない。

物語の最後は,一花の母・千花の墓参りで終わる。不遇だった彼女,その恋人,そしてその娘の三人が始めて報われるシーンには,幸せな結末に対する作者の良心を感じずにいられない。

振り返ってみれば,最初から最後まで良心にあふれた作品だなあと思う。誰もが優しくて,誰もが好意的で,誰もが幸せな結末を迎える。現実にはきっとありえないんだろうけど,物語の中くらいはこうあったっていいじゃないか。

小笠原氏の作品は基本的に好きだけど,今作は今まで読んだ作品の中で一番好きな作品かも。ただ,双葉社誌の既刊作品はあまり読んだことがないから,今度はそちらを読んでみようかな。

今巻は単行本未収録&DXゲストを迎えた描き下ろしコミック小冊子プレゼント企画あり。単行本表紙についている応募券で応募可能。全員プレゼントのようなので,ファンの方は忘れずに応募すべし。

私屋カヲル「少年三白眼」3巻

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私屋カヲル「少年三白眼」3巻

ヒロムの母「お母さん ヒロムの合格のためなら なんだってするわ――!!」

ハッキリいって ボクよりもお母さんのほうが燃えてるのだ

(私屋カヲル「少年三白眼」3巻 p.121より)

1992年から1993年にかけて小学館『別冊少女コミック』にて連載されていたストーリー漫画の単行本。竹書房からの新装版はこれが三冊目。三白眼の少年・阿久津ヒロムの、目つきの悪さゆえのドタバタな学校生活を描いた作品。単行本3巻は描き下ろしとして、作者がこの作品を振り返る漫画「ふりかえれこの15年」を収録。

3巻になると、ヒロムの三白眼ゆえのギャグは少なくなり、純粋な学校ドタバタギャグ漫画に。それでもやはり登場キャラが強烈で面白い。特にヒロムの受験の話で、ヒロムの母がヒロムよりも燃えている姿なんかは、彼を食ってしまうほどだ。

描き下ろし漫画では「少年三白眼」の連載の経緯や裏話、竹書房への投稿話、「ちびとぼく」連載から青年誌デビューなどが語られている。「ちびとぼく」が作者にとって「どんなマンガかいてるの?」ときかれた時の安全パイでもあるというのは、確かにそうかもと思ってしまった。「青春ビンタ!」も「さくら 咲いちゃえ♥」も「こどものじかん」も男性向けだからなあ。

ところで、p.43でちょろっと出てくるBSハンターという言葉。確か「ちびとぼく」でも使われていたよなあと思って調べてみたら、単行本6巻のp.42にBSハンター郷子なんてセリフがあった。狙って書いたとしか思えない。この辺にもちょっとニヤリとしてしまったり。

単行本1〜3巻のイヌッパナTシャツプレゼントの応募締切は5月末。まだ時間はあるけど、応募される方はお忘れなく。

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重野なおき「GoodMorningティーチャー」7巻

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重野なおき「GoodMorningティーチャー」7巻

上原「水野さんにはいつかもう一度友達として会いに行こうと思うんだ

そうだな 少しでも早く 思い出話にできるように…

校内新聞に載せてみました」

みんな(お前すげえよ上原ぁー!!)

(重野なおき「GoodMorningティーチャー」7巻 p.55 「強すぎるよ!!」より)

『まんがライフ』と『まんがくらぶオリジナル』にて連載中の4コマ漫画。熱血高校社会科教師、東進太郎のクラスの日常を描いた作品。単行本7巻のゲストは佐藤両々氏と山名沢湖氏。

7巻ではクラスの天才少年・上原が、彼の中学時代からの憧れの女の子・水野に告白。結局上原はふられてしまうけど、いつもはクールな上原が青春する姿には「本当、青いなあ」と思ってしまう。でもそれをただの青春話にするのではなく、最後にはきっちりとギャグにしてしまうところは、さすがは重野氏という感じ。

4月28日にはトライエッグから「GoodMorningティーチャー」ドラマCDが発売。サイトではCDの試聴が可能。

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樹るう「ポヨポヨ観察日記」2巻

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樹るう「ポヨポヨ観察日記」2巻

萌「こ…これは 猫の子供がえり モミモミ!?

ポヨ… 私がお母さんでいいの…?

もういっくらでももんでー♥」

(樹るう「ポヨポヨ観察日記」2巻 p.50より)

竹書房『まんがライフ』と『まんがライフMOMO』にて連載中の作品。とにかく体が丸い猫・ポヨと、彼の飼い主一家の日常を描いた作品。単行本2巻には、増刊号『あにまるパラダイス』にて掲載された「そんな! ムーたん」もわずかながら収録。

ポヨへの多少行き過ぎた愛ゆえに、爆弾発言をしたり、あらゆる丸いものにポヨを見てしまう飼い主・萌の姿が相変わらず面白い。そんな姉に呆れ気味の弟・英との掛け合いも楽しい。安心して読める作品。

4月20日には、樹氏の単行本「私のお嬢様」1巻が辰巳出版から発売。こちらも4コマ漫画。私は読んだことはないけど、こちらの掲示板の梅さんによれば、王朝時代のロンドンを舞台に、大商家の一人娘に仕えるナースメイドが主人公の話らしい。

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山野りんりん「あなたに猫ぱんち」

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山野りんりん「あなたに猫ぱんち」

俺の名は片瀬圭二郎 はっきりいってすごくモテる。

女の子「片瀬先輩 転校するんです 私… 何か 先輩の思い出になるような物が欲しい…」

(ピーッ)

片瀬「カサブタでいい? はがしたて」

女の子「いやーっ」

だが彼女はイナイ。なぜ?

(山野りんりん「あなたに猫ぱんち」 p.63 「GOGO! 片瀬クン」より)

集英社『ぶ〜け』『ぶ〜けDX』『Cookie』に掲載されていた4コマ漫画「あなたに猫ぱんち」「サインは春一番」「エニィタイムOK!」をまとめた単行本。巻頭と巻末には描き下ろし版「あなたに猫ぱんち」も収録。

内容はというと、個性的、というか突き抜けたキャラたちが繰り広げるシュールなギャグ4コマ。にざかな「B.B.Joker」や新井理恵「× ―ペケ―」にも似た感じだけど、それらより毒は弱めか。

山野氏の現在連載中の4コマ漫画は「はにーすぃーとティータイム珈流編」「ちこりん日記」「ナギーにおまかせ!」だけど、それらの作品の原点だなあと感じた作品。変なことに一途なキャラたちは、茶苗や柿沼さんやちこりやナギーの姿を思い出させる。そんなキャラたちの言動と、山野氏のかわいい絵とのギャップがまた面白い。

山野氏は現在、集英社『Cookie』にて「骨董あなろ具屋」を連載中。こちらは骨董屋を舞台に繰り広げられる、ちょっとしんみりとしたファンタジーショート漫画。ギャグな山野氏もいいけど、ファンタジーな山野氏もおすすめ。

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私屋カヲル「少年三白眼」2巻

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私屋カヲル「少年三白眼」2巻

お… お父さんが… グーでぶった…

今までパーでぶったことはあっても… グーでぶったのは初めてだ!!

(私屋カヲル「少年三白眼」2巻 p.36より)

1991年10月から小学館『別冊少女コミック』にて1992年に小学館『別冊少女コミック』にて連載されていたストーリー漫画の単行本。竹書房からの新装版はこれが二冊目。三白眼の少年・阿久津ヒロムの、目つきの悪さゆえの不幸な学校生活を描いた作品。単行本2巻は描き下ろしとして「ビタワン仮面特別編〜お母さんやめて〜」を収録。

2巻は1巻から話の幅が広がっていて、さらに面白い。クラス替えで友達と離れ離れになってしまうことを嘆くヒロム。X-MENのサイクロプスのごとき目力を発揮するヒロム。学園祭の演劇にビタワンのマスコット犬のお面をつけて登場するヒロムのクラス。読み進めていくと、この漫画がどんどんはちゃめちゃになっていくのが分かる。それでもこの漫画が暴走しないのは、ヒロムの友達思いで親思いなキャラクターがあって、そこから生まれる話がバランスを取っているのからだと思う。

しかし、描き下ろし漫画のタイトル「ビタワン仮面特別編〜お母さんやめて〜」は、一目見ただけで笑ってしまった。ヒロムの母のキャラクターが自分の中にそれだけ強烈に印象付けられていたということかもしれない。そういえば表紙もヒロムの母だ。

3巻は3月27日に発売。1巻から3巻の帯についている応募券を集めると、抽選でイヌッパナTシャツが当たるプレゼント企画あり。また、4月8日には3巻発売を記念したサイン会がとらのあな名古屋店にて開催。詳細は現在とらのあなの無料情報誌『とらだよ。』61号を参照。自分は地元なのでぜひ行こうと思う。

関連リンク

追記(2006-04-15 22:42)

掲載誌の誤りを修正。

山名沢湖「レモネードBOOKS」1巻

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山名沢湖「レモネードBOOKS」1巻

「お守り」だとか「ふっきる」だとか 岩田君の笑顔を見たらどうでもよくなった

2年間ページをめくられなかった本 でも 本って読まれるためにあるんだよね だからボロボロだったんだもんね

(山名沢湖「レモネードBOOKS」1巻 p.19 「扉を開けて」より)

『まんがライフMOMO』で連載中のショート漫画。読書好き(というか読書オタク)の彼氏・岩田君と、その彼女・森沢可奈の、本に囲まれた日常を描いた作品。単行本1巻には読み切り時代の作品「古本とレモネード」を収録。ゲストは新井葉月氏と犬上すくね氏。

本にまつわるふわふわで妄想爆発なエピソード、そしてキャラたちの詩的なセリフの数々には、もう胸キュン(死語?)の一言。図書館や栞などの本に関連するものを題材にしたエピソードばかりで、本好きにとっては共感するものも多いんじゃないかなと。各話のタイトルが本のタイトルから取られているところもにくい。

山名氏は2月22日発売の『コミックハイ!』から「つぶらら」を新連載。また、2月25日には、単行本「でりつま」が発売。「でりつま」は「委員長お手をどうぞ」2巻、「レモネードBOOKS」1巻と続いた山名沢湖3冊祭を締めくくる1冊。3冊全ての購入者には山名氏特製ポストカードが当たるプレゼント企画あり。

3月11日には「でりつま」発売を記念した山名氏のサイン会がとらのあななんば2号店で開催。整理券配布は2月25日からとらのあななんば1号店にて。電話予約もあり。詳しくは竹書房のイベント情報を参照。

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