COMITIA108にて4コマ紹介同人誌『4コママンガのススメ 2013年版』を頒布します

『4コママンガのススメ 2013年版』表紙 『4コママンガのススメ 2013年版』裏表紙

COMITIA108にて発行される同人誌『4コママンガのススメ 2013年版』に寄稿しました。昨年発行された『~2012年版』と同じく、たっちーさん水池亘さん八戸さん、私による4コマ紹介本です。今回は2013年に刊行された4コマ単行本の中から1人7ジャンル2作品ずつ、総計56作品を紹介しています。また、新人4コマ作家も3名ずつ、総計12名紹介しています。さらに、今回は特集としてメンバー4人による座談会も収録しております。デザインも一新、内容も例年に増して熱い一冊になった、とメンバー一同自負しております。

頒布スペースはF60b《4コマ同好会》です。また、COMIC ZINでの書店委託販売も予定しています。会場で、または書店で、ぜひお手に取ってみてください。

私は以下の14作品と3名の新人作家を紹介しました:
  • 『花の任侠物語しずか』 ― 火ノ鹿たもん〔芳文社〕
  • 『妹はいいものだ』 ― 内村かなめ〔一迅社〕
  • 『ゲキカラ文化交流』 ― 沼江蛙〔芳文社〕
  • 『どろんきゅー』 ― 吉村佳〔芳文社〕
  • 『ちっこいんちょ』 ― トイシキ〔芳文社〕
  • 『三者三葉』 ― 荒井チェリー〔芳文社〕
  • 『一番星のそばで』 ― 仙石寛子〔芳文社〕
  • 『惑い星と花』 ― 野広実由〔竹書房〕
  • 『村ドル』 ― 佐野妙〔芳文社〕
  • 『咲丘TVショー』 ― 神堂あらし〔竹書房〕
  • 『幸腹グラフィティ』 ― 川井マコト〔芳文社〕
  • 『小さなキミと大きなボク』 ― オザキミカ〔イースト・プレス〕
  • 『となりの魔法少女』 ― 七葉なば〔芳文社〕
  • 『夜森の国のソラニ』 ― はりかも〔芳文社〕
  • 清瀬赤目 ― 連載作『アンネッタの散歩道』(まんがタイムきららミラク)
  • むらさき* ― 連載作『ゆーたいプレイ』(まんがタイムファミリー)
  • あさみゆとり ― 連載作『みずいろミュージアム』(まんがタイムスペシャル)

同人誌の中で紹介している全作品・全作家は裏表紙画像を参照してください。

(開催日までトップ表示。2014-04-16 19:55 更新。)

ふかさくえみ『今日のノルマさん』は作者久々の商業4コマ作品 - 芳文社『まんがくらぶオリジナル』2013年12月号

ふかさくえみ『今日のノルマさん』

ゲスト作品。作者の商業オリジナル4コマ作品は、かつてホームにて連載されていた『ちまさんちの小箱』以来。自身が課したノルマに日々挑み続ける少女・ノルマさんの日常。挨拶、あだ名、折り紙、お弁当。他愛もないことを自身に課すノルマさんからは、彼女が過保護で育ったという設定と相まって、他愛もないことに対する憧れが見え隠れし、可笑しさと同時にある種の切なさを感じる。その切なさは、しかしノルマさんがノルマを達成したときの笑顔をより印象深いものにし、他愛もなさ=日常性の喜びをより強いものにしていると言えよう。ぜひ連載で読みたい。

むらさき*『ゆーたいプレイ』は居眠り幽体離脱少女がラブリー - 芳文社『まんがタイムファミリー』2013年12月号

むらさき*『ゆーたいプレイ』

うおおおおおおおおなんでむらさきさんファミリーに載ってるのおおおおおおお!?!?!?!?!?(狂喜乱舞) この人の同人作品可愛くて大好きなんだよねえ……! さて今作は霊感が強いタケルくんと、居眠りをすると幽体離脱しちゃう幼なじみのゆきちゃん。やっぱり何よりも絵柄の可愛さ。悪い霊にも天真爛漫に接するゆきちゃん、彼女を心配するタケルくん、そして彼の気持ちに気づかないゆきちゃん、という関係性のドタバタラブコメ感が可笑しい。百面相な二人の表情がまた笑いと和みを誘う。ゆきちゃんの寝顔がラブリーやわあ……。これは今すぐにでも連載で読みたい。

はりかも『夜森の国のソラニ』が切り拓いた4コマ表現の極みを見よ - 芳文社『まんがタイムきららミラク』2013年12月号

はりかも『夜森の国のソラニ』

昼森を助けに、夜森とソラニは「扉」の向こうへと進む。暗い闇に包まれた世界に、昼森の目覚めによって夜明けが訪れ、世界を光が照らす。その表現がただただ見事(画像)。見開きで、中央の4コマ2本が取り払われて解放的に描かれる、朝日が昇る世界がダイナミックに美しい。そしてこの朝日というオブジェクトに対して、両脇の各4コマにおけるソラニや屑持、またその他のキャラたちの視線が向いていることは注目すべき点である。まさに彼/女らはこの朝日を「見て」いるのだ! 加えて、ソラニについては「……わ」「きれい……!」というフキダシが読者の視線を誘導している点も特筆しておきたい。かような技法で、作者は4コマとイラストを接続し、また読者を作品世界に没入させているのである。この2ページには作者が本作で切り拓いた4コマ表現が凝縮されていよう。(さらに言えば、この前後のページでコマ枠外の色が黒から白に変わっている点も、世界が光に満ちたことを表現していると言えよう。)

次号の最終回を前に、『ソラニ』が切り拓いた4コマ表現はついに極まった。4コマ表現の今を追う者は『ソラニ』を見よ!

かるは『ひみつのふたりぐらし』

二回連続ゲストの二回目。今回もスキンシップ。頭をなでたり、手をこちょこちょしたり、腕をもみもみしたり。うーん、イイ……。ひなたをうざがりながらもほぐされていく雪がイイ……。体もそうなんだけど心も少しずつひなたに開かれていく様がイイ……。これは連載で読みたい。連載化されたらひなたの弟くんも登場してほしい。

清瀬赤目『アンネッタの散歩道』

三回連続ゲストの三回目。お料理御一行。料理がおいしそうな漫画は良い漫画である(確信)。食材、食器、湯気など料理の細かい描写に現前感があって、食べたくなるという気持ちを起こさせてくれる。149ページ左1コマ目、葉っぱの上に乗ったキノコのスライスひとつひとつの形が微妙に違うところとか凝ってるなって思う。次号から新連載ヤッター!

神堂あらし『先生ロックオン!』の「きれいな神堂あらし」感アゲイン - 竹書房『まんがライフオリジナル』2013年11月号

神堂あらし『先生ロックオン!』

新連載。小学校教師・京子さん(33)と元教え子・一樹くん(20)は恋人同士。一樹くんは10年前から京子さんを狙っていたとのことで、えっそれって23歳と10歳……というアブノーマル感が作者らしい、という第一印象。だがフタを開けてみれば、京子さんが一樹くんの押せ押せ言動に初々しい反応を見せたり、また時には一樹くんの小学生時代を懐かしんだりと、その健全な二重の関係性に和み、また笑いを誘われる。

最近の作者は、MOMOの『咲丘TVショー』やジャンボの『お隣さんゲーム』でもそうだが、作品に心地良い安心感と可笑しさがある。作者の創作活動が新たなステージへ入ったのかもしれない。新人作家のみならず、過去からの作家の変化も追いかけていきたいものである。

「4コマ&ギャグ ^_^ かわいいマガジン」創刊 - AMW『コミック電撃だいおうじ』VOL.1

9月27日にアスキー・メディアワークスから創刊された「4コマ&ギャグ ^_^ かわいいマガジン」。『電撃4コマ大王こもえ』で4コマ誌の道を探っていたAMWが系列誌などから作家を集結させて作りました、という感じ。電撃系ながらもメディアミックス作品はそれほど目立たず、オリジナル作品が多い。AWMの休刊した雑誌から移籍した作品もいくつかある。電子書籍でも読めたり、公式サイトではWEB4コマを連載したりしている。

総評としては、前半は想像通りの期待外れ。比較的名前のある作家陣が無難な作品を描いていて「あー、こんなもんかー」といったところ。しかし、後半は想像を超えて期待通り。どの作品もそれぞれに光るものがあって、これぞ雑誌という感じ。「オモシロイ雑誌」を作るという煽り文句は嘘じゃなかった。あとは同じ角川系列だった『4コマなのエース』と同じ道を歩まないことを祈るばかり。

乃花タツ『あやかしぃのに』

こもえからの移籍作品。美少女あかなめ・なめこが女子高生・綾香をペロペロするお話。端整な描線が描く舐め舐めシーンの色っぽさにキュンとし、スキンシップが醸し出す二人の仲良しな空気に安心する。ひじペロ後に呆けながら遊びの約束をする場面が特に良い。何と言うか、これ、ピロートークだよね、みたいな。

黒渕かしこ『死神くんと人間ちゃん』

長身の転校生・西上くんをライバル視するチビ女子・臥龍岡さん。隣の席同士で仲良くケンカして打ち解けあったと思ったら、西上くんは死神の名刺を差し出して臥龍岡さんに余命一年を告げる。二人の仲を茶化す友人に西上くんは平然としているが臥龍岡さんはうろたえっぱなし、という凸凹な関係性が可笑しい。いつもニコニコ優男な西上くんのキャラも清潔感があって安心する。今回はみんなでワーキャーしてたけど、余命一年だと分かった次回以降、二人の関係性はどう変化していくかな。

カツヲ『ひとりぼっちの○○生活』

人見知りのぼっち(註:本名)が中学デビューで必死に友達作りに挑戦。登場キャラ名が「一里ぼっち(ひとり-)」「八原かい(やわら-)」「砂尾なこ(すなお-)」と、何と言うか分かりやすい。ぼっちが前の席になった なこ と拙いながらも友達を始めていく過程が心温まる。ぼっちの表情もコミカルで楽しい。特に嬉し泣き、絶望泣き、私ダメだったよ泣きと、泣きパターンがチャーミング。次回以降はどう話を作っていくのかな。ぼっちが かい との約束を守るルートだとキャラがどんどん増えちゃって大変なことになってしまう気はする。

上下『別に可愛いものとか興味ないです』

寡黙なクールビューティーのさやは隠れ可愛いもの好き。可愛いもの好きな姿を友人たちには決して見せないさやの姿に、可愛いという気持ちを通り越して愛おしさすら覚える。窓の外の番い鳥に駆け落ち妄想をする一本にはキュンと来る。「本当に可愛いさやの姿を知っているのは読者だけ!」的な安心感と満足感、とでも言えばいいのだろうか。

310『トシシタライブラリー』

図書館で見た中学生男子二人に一目惚れした高校生女子二人。ナチュラル痴女のしえんはナチュラル毒舌の勇希が好き。しえんが勇希に変質者発言を軽くいなされ、さながら一人相撲を演じている様が面白可笑しい。大人変態なハルはムッツリ常識人の治が好き。ハルが治を思わせぶりな言葉でうろたえさせつつ、彼のツッコミに的確にカウンターして茶化す様がまた可笑しい。どちらのペアも、一方に偏らないパワーバランスでのつかず離れずな関係が、可笑しきコメディの根底にあるよなあ。上手い。芳文社・スクエニと渡り歩いてきた作者はここらでそろそろ花を咲かせてほしい。

荒井チェリー『未確認で進行形』がTVアニメ化 - 一迅社『まんが4コマぱれっと』2013年11月号

荒井チェリー『未確認で進行形』がTVアニメ化とのこと。ぱれっととしても作者としても初のアニメ化作品となる。アニメ化が両者にとってプラスになってほしいなあ。

『2013夏の読書感想文コンクール』の結果発表あり - 芳文社『まんがタイムきららMAX』2013年11月号

きららWebにて募集されていた『2013夏の読書感想文コンクール』の結果発表あり。《4コマ同好会》でもお世話になっている水池亘さんが『こずみっしょん!』の感想文で特別賞を受賞されている。自分を含めて誰もが、感想文の冒頭一文を読んですぐ「あれ、この企画って感想文企画だよね……?」という思いが頭をよぎり、続く文を読んで「小説だこれー!?」とツッコんだに違いない。だが、様式こそネタ感があれど、『こずみっしょん!』の単行本を道具立てとし、作中のキャラの関係性と感想文中のキャラのそれとを、一人称代名詞のレトリックによりどんでん返しで重ねる様は見事と言うべきだろう。そこには、作品を読み込み、作品を楽しむ姿、そして作品「で」楽しむ心が見える。また、その小説的な様式にも、ラノベの賞への投稿活動をされている水池さんらしさが見出せよう。まさに作品愛が水池さんらしく表現された「感想文」と言えるだろう。水池さん、おめでとうございます。

読書感想文コンクールには、私も『ワンダフルデイズ』で投稿したが、残念ながら受賞ならず。読書「感想文」って難しい……。企画タイトルには「2013」とあるので、来年2014年にも開催されることを期待したい。

かるは『ひみつのふたりぐらし』は女子大生二人のスキンシップ過多なルームシェア? - 芳文社『まんがタイムきららミラク』2013年11月号

かるは『ひみつのふたりぐらし』

二回連続ゲストの一回目。医大生の雪と美大生のひなたがルームシェア。真面目だけど人見知りな雪とおふざけマイペースなひなたのキャラを、つかみで丁寧に見せるなあ。どちらも最初は相手のキャラに合わせようとしないところがいい。そして肩揉みから始まるマッサージスキンシップ。感じつつもマジ痛で涙目になる雪が健康的にエロい。第二話もこの路線を続けるのかな、どうなのかな。

清瀬赤目『アンネッタの散歩道』

三回連続ゲストの二回目。靴職人の妖精・ディックと出会ったメイヴとマリー。職人気質で靴さえ作っていれば幸せ、だけど作った靴を誰にも履いてもらえないことを寂しく思うディックが、メイヴの言葉に外の世界への期待を見出す様が丁寧に説得力をもって描かれている。説得力の根底にあるのは彼の靴に対する真摯な態度だろう。それは物語のレベルではもちろん、ひとつひとつ大きさも形も異なる彼の靴の数々や、彼の工房にぶら下がっている形の違うノミの一本一本など、ビジュアル面でも如実に示されている。このビジュアル面の強さがミラク作品らしい。これは今すぐにでも連載で読みたい。

仙石寛子『そんな日も』に仙石的リバースショットの進化を見る - 竹書房『まんがライフオリジナル』2013年10月号

仙石寛子『そんな日も』

シーズンゲスト。夏から秋に移り変わり、もの哀しさを覚える一日。息子の目に映る物憂げな姿の母は、どこか怪しげな魅力を放っている。特記すべきは103ページ左の1・2コマ目。どこか遠くをぼんやりと眺める母の刹那がまるで写真のように捉えられ、その印象が息子にとって、そして彼と同一化する読者にとって永遠のものになる。母の身体はコマの左側に寄せられて息子と視線を交わすことはなく、コマの右側に連続して空いた空間は息子の不安な心と同期して、胸が詰まるような感覚を読者に否応なく覚えさせる。従前の作者作品のように二人のキャラが相対するリバースショットでなく、一方が他方を観察するかのようなリバースショットが、こうした印象深い場面を生み出す表現となっているのだ。ここに、作者のリバースショット表現の進化を見たと言っても、言い過ぎではないだろう。

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